165)時ならぬ雪

 3月20日に大同にきましたが、ことしは雪が多いのです。3月下旬だけで4回も降り、大同の市街地では15センチも積もりました。降水量としては3月で50ミリ近くを記録したかもしれません。こんなことはめったにないことで、もちろん私も初めての体験です。
 この地方の農村では「春の雨は油より貴重だ」といいます。3~4月はせいぜい10ミリ前後ですからね。最初の雨が5月になってからの年も珍しくないのに。
 気温も安定しません。「三寒四温」という言葉はこの地方で生まれたのではないかと思うくらいいつもの年も温度が上下しますが、ことしはそれが極端すぎます。3月18日ごろは最高気温が25度にもなったそうですが、そのあと2度に下がったりしました。最低気温はまだマイナスです。そのために風邪をひく人が多いのです。私もひきました。
 3月27日から、日本の専門家と私たちの霊丘自然植物園で樹木の生育調査をしました。初日の北斜面は順調でしたが、2日目の南斜面は横殴りの雪になって、中断せざるをえませんでした。次の日、朝のうちは雪が残っていましたが、調査を終えた昼過ぎには南斜面は完全に融けました。
 そこから山全体をみてあることに気づきました。いま雪が残っているところは樹木が多く、雪のないところは植物が少ないのです。雪があるのは高いところの日陰斜面だけ。乾燥しにくいぶん、樹木が育ちやすいんですね。
 【写真】手前の日向斜面は雪が融け、高いところの日陰斜面だけ、雪が残っている。
 (2008年4月25日号)
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