164)緑の小康村

 霊丘県上北泉村は大同市の東南の端にあり、河北省との境界に近く、すぐ前を唐河が流れます。平地がほとんどなく、村の後ろは急な斜面で、アワ・キビなどの雑穀を植えても収穫はわずかなものでした。村の青年たちは貧困から脱出するために、その斜面を果樹園に変える構想を立て、少しずつ実行していました。
 私たちが最初にこの村を訪れたのは95年で、翌春から果樹園建設に協力しました。おたがいに渡りに舟だったのです。それから12年。果樹園は58ヘクタールでアンズなど3・1万本、ほかにもコノテガシワやポプラを植え、合計で90ヘクタール9・3万本になりました。
 果樹は比較的早く成果があがります。アンズ、クルミなどが収入をもたらすようになりました。1人あたり平均年収2千元のうち8百元が果樹からのものです。貧しかった村が県下でも有数の豊かな村に変わり、新築の家がめだち、村内の道路も鋪装されました。春にはアンズやモモの花が咲き誇り、以前とは別世界です。
 村からみえる範囲の山も、コノテガシワやマツによる緑化がすすみ、唐河の岸にはポプラのグリーンベルトができました。観光客までくるようになったのです。
 昨年中央政府の関係部門によって「全国緑色小康の村」に選ばれました。小康というのは「ゆとりのある生活水準」といった意味で農村の目標です。大同ではいまのところこの村だけです。
 【写真】賞状をもつ鄭海水書記兼村長。抜群のリーダーシップで彼個人も山西省の労働模範に選ばれた。
 (2008年4月15日号)
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