492話)さようなら、センター(2)

 環境林センターができるまでは、大同にいるあいだ、私はあちこちのプロジェクトを渡り歩くだけでした。大同駅に着くとすぐに農村にでかけたのです。それはけっこう不安定で、つらいことでした。

 環境林センターができてからは、ここを拠点に動くことになります。大同駅に着くと、まずセンターにいき、ここで計画を立て、それから農村にいきます。農村を回って、センターに帰ってくると、ここの職員たちは私をみて「お帰り!」といってくれます。その一言で、安心できたものです。

 冬から春にかけては、寒くて泊まれないんですけど、夏はだいじょうぶです。朝、カッコウの声で起こされるんですね。それがとてもよかった。何回も何回も敷地内を歩き回りましたので、どこになんの苗木があるか、だいたい覚えていました。でも、もうセンターはありません。私も、気持ちを切り換えて、新しいプロジェクトにむかわないといけません。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 491話)さよう... 493話)代替地 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。