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928話)井戸を掘った人を忘れるな

村にポンプが届いたのは夕方だったそうです。全村の人が集まって、帰ろうとしません。しかたなしに技術者は夜を徹して取り付け作業に取り組んだそう。水がでたのは夜明け前の4時すぎだったそうです。

井戸のわきに立派な記念碑が建てられました。「水を飲むときは井戸を掘った人のことを忘れるな」と彫られています。

井戸を掘る前後に、日本からのツアーが訪れて、農家でホームステイしました。井戸を掘る前はたいへんな村で、みなさんの印象も強烈だったんですけど、井戸を掘ったあとはふつうの村になりました。でも、村の人たちが私たちを迎える態度は、ほかの村とまったくちがいます。

そう。村祭りに遠くの親戚を招くような感じですね。よその村に嫁にいった女性もこの日は村に帰って、食事の用意などをしてくれたのです。県城やその他のところに出稼ぎにいっている人も、私たちにあわせて村に帰ってきました。

そして翌日、村を離れるときは、なにかしら、おみやげを押しつけられたりしたものです。食事のときに出てきた落花生を酒のつまみにしていると、「あれがすきらしい」ということになって、麻袋いっぱいを持たされたこともあります。
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