169)自発的な救援活動も

 集まった義援金を中国側に託するため6月2日から中国に行ってきました。といっても今回は北京だけ。友人から事情を聞き、テレビにかじりつきました。ニュースの時間の3分の2は地震関係ですし、衛星の四川テレビはそれ専門といっていいくらい。
 阪神大震災に取り組んだ土木研究者がEメールで「阪神大震災に中越地震の山古志村をたして、それに10をかけたよう」といってきましたが、まさにそのとおり。実況中継をみていても、ガレキの下の犠牲者がいる一方で、建ったばかりの仮設住宅で笑顔をみせる被災者がいます。決壊の恐れのある堰き止め湖の下流で130万人もの住民が怯えています。雨期を迎え、感染症の防止など医療衛生面の重要性が増しています。全体像はとてもつかめません。
 大同とその周辺で私は地震をはじめさまざまな災害を目にしてきました。トップが現場で陣頭指揮をとり、餓死させない、凍死させないというレベルでの政府の救援は鮮やかで、いつも感心していました。でも今回はそうはいかなかったぶん、市民の自発的な活動もでてきました。取り残されてきた農村や手抜き工事など人災の面もあらわになりました。
 それらを含め、報道がオープンになったのはいいことです。自然災害の犠牲者数すら以前は機密扱いでしたが、SARS以降改まりました。被災者にはお気の毒ですが、これを機に中国社会がよりよく転換することを切に願います。
 【写真】献血のために列をつくる成都市の市民たち。
 (2008年6月25日号)
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このブログの今後について (高見邦雄)
2008-06-20 13:35:39
(社)日中友好協会の機関紙「日本と中国」で5年半もつづいてきた「黄土高原レポート」の連載が、今号で終了しました。長い間おつきあいいただいて、ほんとうにありがとうございます。
 このブログ、これからどうするか、検討中です。ひょっとすると、名前を変え、もっと自由なかたちで継続するかもしれません。そのばあいは、よろしくお願いいたします。
 
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