170)なんでもあるけど……

 樹木の生育調査のために、いろんな器具を日本から運んできました。でも、大同で手に入る大きなものはここで調達したい。ロープやペンキを求めて市街地の東にある東関市場にでかけました。農村向けの物資を扱っています。
 ものすごいにぎわいですね。両側の店がたくさんの商品、看板、荷車などを道路にはみださせています。買い物客はそのあいだを悠然と歩く。
 ひやかしているあいだは、なんでもあるんですね。ノギスは日本からデジタルのものを運びましたが、さすがにそれはないものの、アナログのものはちゃんとありました。植木鉢も以前は分厚い素焼きしかなかったけど、プラスチック製の各種サイズがあって、なかにはおしゃれなものも。それぞれの店の品揃えのしかた、つまりは分類法が日本とはまるでちがっておもしろいですね。竹に関心のある前中さんは竹を張り合わせて作ったまな板を買いました。
 ところが、いざ必要なものをさがすとなると、これがないんですね。電線を壁に止めるためのステープルをさがしたら、何軒の店を回っても一種類しかなく、私たちの役には立ちません。かわりに鉄釘をつかうことにしても、適当なサイズのものがない。ミシン油をさがしてもみつからない。マジックインキは黒しかなくて、しかも試し書きをすると、インクのでないものがたくさん混じってる。なんでもあるんですけど、ほしいものはありません。
 【写真】農村むけの市場のにぎわい。なんでもあるようにみえるけど、必要なものとなると…。

 *日中友好協会の機関紙への連載は前号で終わったんですけど、控えとして書いていたものが一本ありました。ついでですので、それも……。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 169)自発的な... 171話) カウ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。