336話)水神堂

 大同市広霊県の県城のそばに水神堂があります。こんな乾燥地に突然、大きな泉がでてくるんですね。泉のまん中に、幾重にも重なった天然の岩山があり、そこに建てられているのが水神堂です。

 池の底から、モクモクと清水が湧きだしているようすを、以前はみることができました。水の勢いで砂がワラワラと動き、その周りに小魚が集まっていました。湧き口の付近には水草も生えません。

 付近の人たちはそれでも、「湧きだす水の量が急に減ってきた。さあ?1990年代にはいってからかな」。この一帯で水が消えていますから、ここだけ無事、ということもないでしょう。

 それなのに、これも観光開発が目的でしょうけど、水神堂の周囲の池を拡張しました。外側に広げたのです。湧き水が減るいっぽう、水面積が拡大されて、起こったのは水質の悪化でした。富栄養化がすすみ、水草がふえ、水が濁ってきました。なにごとも、よくばってはいけないようです。
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