133.太行山

 山西省と河北省の省境にあるのが太行山の大山脈です。私たちの活動エリアの半分がここにあるので、この春も私は歩いています。山頂に立つとどこまでも山また山です。同行している地元のスタッフが「中国大!太大!」と叫びました。中国は広い、広すぎる、というのです。本来なら私が口にすべきセリフでしょう。そして視界のどこかに村がかくれています。
 貧しすぎる、ともいえます。平坦な土地がありません。谷底から山頂近くまで傾斜のゆるいところはどこも畑にしています。もともと石だらけなので、除いた石を積み上げて石垣でアゼをつくり、よそからも土を運んで段々畑にしています。下から上にカメラをむけると写るのは石垣だけ。上から下をながめると、石垣はかくれて細長い一枚の畑のよう。その畑を人数で割ると、答えは猫のひたい。どんな豊作を想定しても貧困は避けがたいのです。
 ヤギ、ヒツジの放牧が収入を補います。近年はカシミヤヤギが収入になるため、ヒツジより飼育頭数が増えているよう。百人が植えるのが百頭が食べるのに追いつかないかもしれません。
 煮炊きの燃料は周囲の山の木です。家々の周囲にタキギが積んであります。灌木のほかにナラ、シラカンバ、カエデなどの若木が混じります。私たちが苦労して種を集め、苗を育て、植え広げている樹木です。泣きたくなるほど悲しいことですが、ここの人たちも生きていかないといけません。
 【写真】どこまでいっても山また山。こんなところに、と思うところに人が住み村ができている。
 (2007年4月15日号)
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コメント
 
 
 
感動された私 (大同の陳尚士)
2007-04-24 22:15:19
おやりになったことにとても感動されました。
私は大同の農村に生まれてそこの事情がよくわかります。
 
 
 
感動された私 (大同の陳尚士)
2007-04-24 22:15:21
おやりになったことにとても感動されました。
私は大同の農村に生まれてそこの事情がよくわかります。
 
 
 
自己しょうかい (大同の陳尚士))
2007-04-24 22:43:33
私はいしゃです。大同市にすんでいます。日本語が分かる。何か困ったことがあったら知らせたください。私の詳しい事について私のぶろぐをごらんになってください。
hppt://blog.sina.com.cn/u/1243728593
電子メール:css1959@mail.china.com 
 
 
 
陳さん、ありがとうございます。 (高見)
2007-04-29 07:17:28
大同から、北京経由で昨晩、帰ってきました。今回は40日弱の大同滞在でした。陳さんのコメントをもう少し早く私が読んでいたら、大同でお会いできたかもしれませんね。私の通訳の王萍さんは、大同の第4市民病院の看護婦さんでしたが、この1月から副院長さんです。お知り合いだったりしたら、おもしろいのにね。
 
 
 
Unknown (Nguyen)
2007-05-23 12:27:26
NHKの番組を見て黄土高原が好きになりました。今年九月に大同に行くつもりです。
日本語が苦手ですが、このblogを見て感動しました。本当にありがとう!
 
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