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832話)侯喜さん

 カササギの森に立つたびに、侯喜さん(写真左)のことを思い出します。大同市林業局などで緑化のしごとを40年つづけ、定年退職後に大同事務所の技術顧問になりました。カササギの森に着手したころは67歳にもなっていたのに、モルタル生乾きの管理棟のスチールベッドで寝起きして、朝早くから暗くなるまで陣頭指揮をとってくれました。

 そこの責任者が先頭に立つかどうか、中国ではこのことがほんとに大事です。成功するプロジェクトは例外なしにそうです。

 大同の林業にとって、生き字引のような人でした。地元の農村のことにも、よく通じていたのです。遠田宏先生と小老樹の標本を伐っていると、地元の農民が見咎めて、詰め寄ってきました。侯喜さんがすかさず、「お前、なんて名前だ? じゃあ、お前のおやじは〇〇〇で、お前のおっかあは△△村からきてるだろう」といった調子。男はおとなしく引き下がるしかありません。

 ほんとに、いっしょうけんめいだったのです。「大同の緑化のために40年間尽くした侯喜は、日本人との協力で第二の青春のまっただなかにある」といった記事が、地元紙をかざったのでした。
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