1114話)南天門自然植物園の変遷(2)


その翌年、1999年夏だったと思いますが、李向東さんに誘われて碣寺山の山頂から急斜面をくだって、谷底に降りてみました。川島和義副代表がいっしょ。手元の高度計によると、高低差が350mほどありました。山頂付近は若い林だったんですけど、谷の底には一抱え以上のナラ、クルミなどが繁っていました。そして、分厚く腐葉土がたまっています。

印象的だったのは、胸高直径25cmものナナカマドがあったこと。その話をすると、それは原生林に近いんじゃないか、という人もいるくらい。秋に実をとりにいった李向東さんによると、それは白実だったそう。中国の図鑑によると、たしかに白実のナナカマドがあります。絶滅危惧種。それから育ったナナカマドが1本だけ、南天門自然植物園にあります。

なぜ、これほどの森林があるのでしょう。碣寺山の山頂はふもとの村から高低差で800mほど登らないといけません。この谷は、山頂から高低差で350mを往復するしかないんですけど、ここで木を伐ったとしても、それを運ぶのはたいへんなんです。そのために生き残ったのでしょう。
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