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101)苗を育てる

 経験豊富な専門家はさすがにすごいと思います。中国側技術者のレベルアップのために、私たちの立花吉茂代表は毎回、難しい課題を与えます。たとえば、それまで育てたことのない野生樹種の育苗を説明しないで任せる。
 霊丘自然植物園の技術者はそれによく応えます。経験のない種子がくると、全員で少しずつ分け、それぞれも数種類のやり方を試します。ほかの人のやり方が気になるようで、チラチラッとようすをうかがいながら。こうすることで1年で10種類以上の方法を試せるわけですね。
 最初は失敗もありました。リョウトウナラのドングリを2百キロも集めて、乾燥しないようビニール袋につめて地下室に貯蔵したんですけど、その年は秋になっても気温が下がらず、袋の口をあけるとプーンといい香りがただよいました。アルコール発酵しちゃったんです。
 小さい種を発芽させるのが、むずかしいんです。黄土は粒子がひじょうに小さいので、種を蒔いて水をかけているうちに、土の表面に微粒子が浮き上がり、固い膜になります。そうなると種の小さいものは力が弱くて、その膜を破れません。
 鳥や小動物の食害にも悩まされます。ドングリやハシバミの種をまくと、リスやキジが目ざとくみつけて、食べてしまいます。問題を1つ1つ克服し、ときには何年もかけて、育苗方法を確立していきます。
(2006年4月5日号)
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