591話)深刻な旱魃

 中国は豊かになった、といわれます。内陸の地方都市・大同をみても、この20年の変わりざまはものすごいものがあります。沿海の都市などにくらべ、山西省は改革開放政策が10年は遅れてスタートしましたので、その変化の時間軸はさらに圧縮されているといっていいかもしれません。都市部の変化をみていると、そう感じます。

 ところが農村はそうはいきません。たとえばことし、大旱魃でした。いつもは雨の少ない4~5月にはけっこう降りました。だから西暦の偶数年であることしは、いい年になるだろうと私は期待していました。

 ところが肝心の7~8月になって、雨が降らなかったのです。南天門自然植物園の周金は、「こんなひどい年を自分は知らない」といって嘆きます。で、私が、「そういうけど、1999年や2001年はもっとひどかったじゃないか」というと、「いや、そうじゃない。あれらの年は春から雨がなかったから、早々と耕作をあきらめて、出稼ぎにでたりしたんだ。ことしは春は雨があって、植えつけてから手間も金もかけて、それで収入が見込めないんだから、こんなひどい旱魃ははじめてだ」というのです。

 なるほど、トウモロコシは、雄花が咲くころが旱魃で、だめになったのでしょう。花粉ができていませんし、腐ってしまったものもあります。見た目の印象だけではわからないものです。
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