073)自然林の再生過程

 碣寺山の自然林はまだ若い林です。何度も破壊されたあと自然に再生してきたもののようです。経緯を知るために数本の木を伐り、年輪を調査しました。
 この森の木は78年ごろ、かなり徹底的に伐られています。一部が難を逃れ、10メートルほどに育ちました。切り株から萌芽更新したものが次のクラス。種から育ってきたものもあります。
 それ以来、山は荒らされていません。なぜ?登ってくる途中に大面積のアブラマツを植えました。60年代のこと。十数年たてば松の下枝がタキギになります。かなりの高さまで枝打ちされ、松葉も持ち帰られています。村の近くで燃料をまかなえれば山の上まで人はきません。松を植えたことで山の上に自然に林が再生したのです。
 山の木がなくなる理由のもう1つはヤギの放牧です。ヤギは山の上まで駆け上がり、木の芽、若苗を食べます。政府が禁止しても、耕地の少ない貧しい農家にとって貴重な収入源ですから、解決は簡単ではありません。
 その後、この一帯でいくつもの自然林をみつけました。どこも村から遠く、道のない不便なところばかり。
 碣寺山の自然林から遠くないところで一山の使用権を購入し、柴刈りと放牧を禁止しました。99年のことです。まもなく大きな変化がおきました。草や灌木が茂り、ナラ、シラカンバなどの樹木が急速に育ってきています。それについては、またの機会に。
  (2005年5月15日号)
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