171話) カウントダウン

 北京オリンピックまで、1か月を切りました。そんな日に、私は北京を通過しました。事務所の会田さんが、「オリンピックのカウントダウンをしている看板をとってきてください」といいました。盗んでこいではないですよ、写真を撮ってこいというのです。次回の9月はオリンピックが終わっているので、最後のチャンスだと、彼女はいいます。
 そのディスプレーがどこにあるか、数人の友人にきいたところ、大きいのは国家博物館の門前にあるものだそう。天安門広場の東側の、あれです。以前は歴史博物館といっていたはず。おのぼりさんを絵に描いたようで、私はいやなんですけど、会田さんの指示だから、しかたがありません。
 ありました! オリンピック開幕まで、あと29日と表示されています。その前で記念写真を撮っているおのぼりさんふうもいます。
 四川の地震があったにせよ、もうちょっと盛り上がっているものと、私は想像していました。でも、さめているんですね。「期間中はどこかに逃げ出したいんだ。どうせ仕事にはならないし、騒動に巻き込まれるのもイヤだしね」という声もききました。「1か月を切ったのに、緊張感がないね。ほんとにまにあうのかな?」といった人もいます。そういえば、たくさんのビルその他を建設中ですけど、まにあいそうにないものも多いのです。まにあったとしたら、それはそれで恐怖。
 なににしろ巨大プロジェクトは、計画段階ではいいことばかり勘定しますけど、実行段階になると弊害が目につくものです。はじまれば、また別の要素がでてくる。でも、国家の威信をかけた大プロジェクトをまえに、さめている人が少なくないのは悪いことではありません。
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ブログを継続します (高見邦雄)
2008-07-13 07:58:16
このブログの前身は「黄土高原レポート」で、(社)日中友好協会の機関紙に5年半連載しました。その終了後、改題して継続することにします。発行間隔、文字数などの制限がなくなりますので、こちらとしては書きやすい。
 
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