1188話)高低差があり、複雑な地形

決まった場所は霊丘県上寨鎮南庄村の近くで、低いところが海抜900m、いちばん高いところは南天門といって、海抜1320mほどです。南天門は天上界への門で、泰山をはじめ天下の名山にあるんですけど、ここも私たちがかってに呼んでいるのではなく、地図にちゃんと載っています。

立花吉茂先生の考えは、高低差があり、地形が複雑なところの方が、多くの種類の植物を育てるのに都合がいいというものでした。ここはそれには理想的にすぎるくらいですね。高低差が400mあり、4~5本の尾根筋と同様の谷筋とがあって、複雑そのものです。そのために傾斜が急で、立ち木につかまっていないと立っておれないところもたくさんあります。

敷地の低いところには、わずか4~5軒の「流黄水」という小さな村があったそうです。でも、10年ほどまえにほかの場所に引っ越したそう。その村の生活を支えていたのが湧き水であり、小さな池だったのです。

でも飲み水に使えるきれいな水なのに、どうして黄水? 村の人は「龍喫水」(龍が水を飲む)と呼んでいたそうですけど、ほかの村の人たちが村の貧しさをからかって、「流黄水」と呼び、それが名前になったそう。そう、名前というのはたいてい他人がつけるのです。

緑色地球網絡大同事務所の祁学峰所長などが、この山を100年間にわたってつかうことができるよう交渉してくれました。それがまとまったのを確認し、1998年12月、私は現地を訪れて、村の人たちと話し合いをもちました。
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