1187話)7番目の候補でやっと決定

植物園の候補地として李向東さんは7か所をみつけていました。遠田宏先生と私とで、それを一つひとつ回りました。1998年7月の暑い盛りです。

これはと思う場所がないのです。霊丘県南山区は太行山脈のまっ只中で、平たい土地がほんとに少ないのです。そういう場所は農家の畑としてとても貴重で、私たちが長期にわたってつかわせてもらうことは不可能。あまりに深い山の奥だと、私たちも不便ですし、人にみてもらうことができなければ、建設の意味も半減します。

かといって村に近すぎるところは、タキギ取りや放牧から守るのがむずかしいでしょう。最初にみた上寨鎮劉庄村のそばの山がそうでした。国道108号線のすぐそばで、交通は至便で、その点では気に入ったのですが、なにせ村に隣接しており、どこからでも入り込むことができます。

ここを最初にみて、その後、べつの5か所をみたのですが、適当と思えるところはありませんでした。暑さのなか疲れはてて、「もういいよ、最初のところに決めよう」と言ったら、李向東さんが「最後のもう1つはこのすぐ近くです」といいます。それならと行ってみることにしたら、車を降りてからかなり歩かないといけないのです。しぶる私に、李向東さんは「あそこまで上がれば、現場がよくみえます」というので、がんばって丘に登りました。でも、まだ遠いんですよ。

そこで李さんは「あそこは敷地内に湧き水があり、小さな池ができています」。その一言で、遠田先生も私も生き返りました。最初からそれを教えてくれればいいのに。この池をみて、最終的にここを候補地として決めました。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 1186話)谷の... 1188話)高低... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。