はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

僕たちは監視されている

2011-08-19 23:23:14 | 小説
僕たちは監視されている (このライトノベルがすごい!文庫)
クリエーター情報なし
宝島社


「僕たちは監視されている」里田和登

 IPI症候群(クローラ)と呼ばれる患者たちの、他人の秘密を探ることを生きがいとするという変態的な症状を治療、というか緩和するために、IPI配信者(コンテンツ)と呼ばれる己の日常の姿を動画配信する少女たちのお話。
 主人公である小日向祭は、自宅及び公道での日常を配信するコンテンツで、瞬間91位に入ったことがあるくらいの微妙な順位。
 そんな祭の、一葉とのやり合いが楽しそうなどたばたした生活は、ご近所に14位のテラノ・ユイガが引っ越してきたことで急展開を迎える。
 裸、猥褻が関わるエリアを除く全映像を配信する、というレベル4のヘビー配信者である彼女は、校内での映像を普通に垂れ流すことになる。そうなると、もちろん周囲の人間はたまったものではない。コンテンツ配信自体は公共活動なので、学校側から指導するのは無理で……。
 種々雑多なトラブルがテラノ・ユイガを襲い、祭は否が応でもその騒ぎに巻き込まれていくことになるのだが……。

 うわあ……微妙……。
 発想はいい。発想はいいと思う。それぞれに秘密を抱えた2人のやりとりや、コンテンツ配信とかクローラの設定も、独特で興味深い。
 ただ、地の文章が気持ち悪い、というのがかなりの痛手。オリジナルな表現をしよう、という意気込みがあるのはいいのだけど、それがくどく、センスがない。
 キャラクターが痛い。とくに祭、一葉が一緒に行動した時の悪ノリがひどすぎてついていけない。オープニングで2人が新米警官をいたぶるシーンなど、一方通行すぎて見ていられなかった。祭自身の「向こう見ず」な性格も、ちょっと向こう見ずすぎてただのバカにしか見えず、好きになれなかった。
 うーん……この人の作品はもう読まないかな。趣味に合わない。