宇宙兄弟（1）

宇宙兄弟 1 (1) (モーニングKC) 小山 宙哉 講談社 このアイテムの詳細を見る

「宇宙兄弟（1）」小山宙哉

　幼少の頃、UFOを見たのがきっかけで宇宙を目指した南波六太は、30を過ぎた今、なぜか自動車会社をクビになっていた。かつては自動車のデザインで賞をとったこともあるのに、弟・日々人の悪口をいう上司に我慢ができず、思わず頭突きをかましてしまったのだ。
　リストラされ、自動車会社へ再就職をはかる六太だが、前の会社からの黒い根回しのせいでなかなか就職活動ははかどらない。そうこうしているうちに、宇宙飛行士になった日々人との距離は開くばかり。かつては共に宇宙を目指したこともある2人なのに……。
　周囲の計らいで、JAXAの新規宇宙飛行士選抜試験へ挑戦することとなった六太だが、いざ会場へ乗り込んでみると、周りは超がつくほど優秀な人間ばかり。持病の自己卑下の虫がうずく中、容赦なく試験は進んでいく……。

　非常にシンプルな作品だが、主人公・六太のキャラが秀逸。30過ぎのおっちゃんでアフロ（天パ）で見栄っ張りで弟コンプレックスで。スーパーエリートの宇宙飛行士というイメージからは程遠い。そんな六太が頑張る姿には、きっと多くの共感が寄せられることだろう。いい歳だって、アフロだって、宇宙を見上げる資格はきっとある。これからの進展に期待大。