はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

「夕凪の街 桜の国」こうの史代

2006-08-16 22:58:05 | マンガ
わかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ
思われたのに生き延びているということ

「夕凪の街 桜の国(こうの史代著)」。
主人公皆実が独白で、ヒロシマの原爆投下を生き残った自分が、死者をさしおいて幸せになることに引け目と怯えを感じるシーンの一節。
その後、皆実は意中の男性に告白され、幸福になりかけつつも、被爆を元とする病に冒され、死に至る。

俺は、死後の世界を信じない。
幽霊も、生まれ変わりも信じない。
人は平等に死に、土に返る。
思いはどこにとどまることもなく、ただ消え去る。
……だけど、想像はするのだ。
信じてはいなくても、胸の中で囁く声があるのだ。
刺激を与えられた筋肉が反射するように。
心のうちに、そういう純粋な部分がある。
それは理屈ではなく、等しく人間の中に存在する。

小泉純一郎が靖国神社を訪問したことは、多くの人の心を打った。
俺は彼の行動を否定しない。そのことで救われた人もいたはずだから。傷ついた人もいるかもしれないが、それはそれでしょうがない。万人の納得する幸せなんてものの存在は、何よりも信用できない。

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