はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

インセクツ(1)

2009-11-02 10:39:44 | マンガ
インセクツ 1 (バーズコミックス)
杉山 敏
幻冬舎

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「インセクツ(1)」杉山敏

 タイトル通り、昆虫のお話です。巨大化して、人間に牙を剥きます。
 以上。
 というとあんまりなのでもう少しいうと、デルハイド科学が開発した、昆虫のDNAに干渉して突然変異を誘発するペレナドウイルスという名の人工ウイルスが原因で、人間を襲い、それこそ捕食できるほどに成長した昆虫たち。国及び自衛隊は、即刻これを駆除……しに動いたりはせず、デルハイド科学の研究所と周辺の都市を閉鎖。水も漏らさぬ警戒網を敷き、実験の箱庭を作り出した。
 1巻の内容はそこまで。住民側にぼちぼち被害が出たかな、ぐらいで、そんなに激しく人死には出てない。むしろ徐々に変わっていく主人公(デルハイド科学に勤めている兄を持つ高校生)たちの生活や、国家の黒さ暗部を丁寧に描写することで、地道に恐怖を盛り上げていっている。こういうふうに話を作り上げていこう、という明確な意志ががうかがえて好印象。
 基本的に絵もキャラも地味なんだけど、外部の有識者・小田嶋女史は面白い。ただの科学者なんだけど根本的に押しが強く、国の対応に業を煮やした彼女が、かなり強引な方法で内部とコンタクトをとろうとする姿がたのもしくて素敵。彼女を見るためだけでも、次巻を買う価値はあるかもしれない。

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