ふっ と想うこと

山・雪・風・人、徒然なるままに--

7月に観た映画

2019-07-31 08:19:25 | 映画

全編、モノクロのポーランド映画。
大国に挟まれて常に戦争になれば巻き込まれていた歴史の繰り返しのポーランド。時代を断片的に表現することにより、観る人の想像力をかき立てる面白い映画。今から30年前に仕事でポーランド各地に行きましたが、当時は意外にもナチスドイツに対する思いよりロシア(ソ連)に対する憎しみ、反感が強かった印象が残っています。日本に対してはよく、バルチック艦隊を破ってくれた!と各地で言われましたが、immigrationの時に言われた時には中々島国日本では味わえない感覚でした。

明るいけれども、陰のある香取慎吾さんの映画。
血縁関係にある人達に裏切られ続け、全てに対して虚無的になった主人公、最後には血の繋がらない仲間たちに助けられる、なにかある意味では核家族化した(古い表現ですね)現代ならではの重厚な映画。それにしても香取慎吾さん、素敵に年齢を重ねていますね。

常にロシアからの侵略にさらされてきたフィンランド。祖国回復戦争は昔から知っていました。というのもシベリウスのフィンランディアを中学校時代に聴いて、フィンランドの歴史を調べ、そしてそこにはカレワラをはじめとした素晴らしい叙事詩に出会い、さらにフィンランドの人達はアジア系ということも知りよけいに関心を。
そして、北欧ではスキーが戦争につかわれたこともあり、余計に関心を。
暗く、英雄もいない映画ですが、北欧に対するイメージと合わせてある意味、戦争の空しさを淡々と画いた映画

大学生時代にに観た映画の4Kリバイバル版。原作は新田次郎さんの全集で中学校時代に読んでいました。
当時は、無能な上層部(青森5連隊)と有能な上層部(弘前31連隊)との差、と当時のサラリーマン社会に当てはめて論評されていました。当時の印象はその通り。でも、登り坂の日本経済は終焉、自分自身も間もなく30年以上の会社勤めを終わろうとしていますが、改めてこの映画を観ると、少し印象が異なります。
”有能な”という評価をされた弘前側、改めて観ると、有能なのではなく、なにも判断しない、ある意味では無能な上司、であり、その部下である中間管理職(高倉健さん)が意見を上奏して成功に導いています。また、状況判断にも優れていました。これは、現代の”保身に走る””なにも判断しない”日本の経営層、指導者に当てはまっています。何事も全てにおいて先送り、変化を極度に恐れる1億総保守化の今の日本。そしてその結果が既得権益の維持。世界の変化のスピードについていっていません。
30年以上経って改めて、そんなことを感じる凄い映画でした(インターミッションのないとっても長い映画でした。歳をとるとトイレが心配でした)



これも懐かしいリバイバル版
でも歳をとったせいか、当時のダスティンホフマンに共感していた自分よりも、これだけ好き勝手やっていた理由無き若さの情熱に少し反感をもってしまいました。でも、サイモン&ガーファンクルの音楽は今でも素敵。

軍隊を舞台にしていますが、一人の人間の成長を画いた映画。リチャードギアも素敵。よく米軍が全面的に協力したトップガンと協力しなかったこの映画、比較されますが、人を描いているという意味ではこの映画の方が魅力的(もちろんトップガンも格好良いですが)。好きな映画のひとつ。


新海誠監督の最新映画。若い人達が多いと思い、23時以降に終わるレイトショーへ(レイトショーは終了時間が23時を越えると成人と同伴でも18歳未満はダメ。条例によって)
前作は(世間の評価は凄かったですが)、ストーリーが破綻、単なる長いMVにしか思えなかったに較べると遥に素敵な映画。前作でも”口噛み酒”、今回もビル屋上の祠、そして日本古来伝承の儀式(生贄を捧げての祈祷)と、この監督さんは意外と日本古来の”神的な”ものをモチーフにしています。ある意味では日本の古き伝統を現代的に復活させています。もちろん、最後の終わり方には”身を捧げて”というものとは異なりますが、これも現代ならではの伝説かもしれません。大人が観ても見応えのある映画

この映画、フィクションとはいえ、見応えのある映画。三丁目の夕陽の関係者が作った映画のためVHFは引き込まれます。フィクションですが最後は歴史通りに戦艦大和は建造されます。でも、その過程、そしてその思い、声高らかに、ある意味では、教条主義的な反戦映画よりも戦争に対する思い強く感じさせる映画。
この映画を観て若い人達がどう思うのか、ちょっと聴いてみたくなるような映画。俳優陣も素敵。重厚なテーマですがテンポ良く。
この映画も見応えのある映画。

7月は素敵な出会いが多かったです。
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