ふっ と想うこと

山・雪・風・人、徒然なるままに--

二つの映画

2018-06-19 19:01:57 | 映画
週末に二つの映画

これは有名な某M自動車、そして系列のMFのリコール隠し。
当時は大騒ぎとなり、結局、両社ともに存在し得なくなり、ある意味では社会的に抹殺されてしまいました。

この映画、いわゆる、”個より会社”という、日本の会社のステレオタイプとは少し異なる表し方。

従来は、”会社組織を守るために反社会的行為を隠蔽”というのが、日本の会社の特徴として、表現されてきました。

でも、口ではそのように言っても、実は、たどり着いた今の地位にしがみつく、どちらかと言うと自らの私利私欲に塗れた経営陣の醜さを、描いています。実はこのことは、なにも、この会社に限らず、今の日本の大企業に特徴的なものになっているような気がします。

今の日本の大企業、世界からはどんどん取り残されていき、将来的にはかなり厳しい状況になるでしょう。

今の地位に恋々としている経営陣がいる!ということは新たなことに対しては誰も判断をしない、ということ。

特に、大企業、それもサラリーマン経営陣であればあるほど、そして人数が多ければ多いほど”無”責任となり、世界の早い流れに取り残されています。

数年前に某大手自動車関係の経営陣の方とお話しをする機会がありましたが、
”中国の1週間は日本の大企業の1年と同じ”。
これは誰も判断せず、根回しと決裁の山となっている日本の大企業を自ら批判したもの、と思っています。

まもなく、定年の歳に近ずき、また、かつてはいわゆる大企業に身をおき、今は関係会社に移り、遠くからみることができて、感じます。

この映画、いわゆる型にはまった日本の大企業とは少し違った姿をうまく表している、そんな気がします。

ちょうど、今、日大、至学館という、本来の教育機関という使命よりも、自らの私利私欲、名誉のためにぶざまななりふり構わない、理事、学長。
今の日本は既得権益の維持、たどり着いた地位での利得に固執している老害が目につきすぎます。若い人達が失望するのも無理ないと。

少し前の日本では、潔く、身を引きましたが、今は、開き直り。

武士道精神はもう、ありません。

この映画のモデルのひとつであるM自動車の最高責任者も、結局は、社員を犠牲にして、統合された会社の中で経営陣として生き残っています。

もちろん、役者はうまく、シリアスなテーマ、見応えあります。

翌日はまったく趣の異なる映画

閑かな、ゆっくりと時間(とき)が流れている、そして北海道旭川の美しい自然と相まって見事な叙情詩のような作品となっています。

実力派若手をベテランが柔らかく包み込んだ映画。

辻井伸行さんのピアノも美しく、心が穏やかになりました。

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