ふっ と想うこと

山・雪・風・人、徒然なるままに--

1月に観た映画

2024-01-28 18:12:04 | 映画
公開してから一月近く。
昨年、鹿児島の知覧へ行ったので是非観たいと思って。
とはいえ、単なるお涙頂戴では、と思っていましたが、色々と。
知覧では特攻隊の方達の遺書は、母親に向けたものが多く、その次が兄弟、愛する人達へ向けたもの。不思議なのは父親に向けたものがほとんど無いと。
この映画は、現代の女子高生が先の大戦末期の特攻隊基地へ。最初、現代の若者の素直な感覚で批判的に特攻隊員を。彼らと接しているうちに、彼らが後を託した次世代への思いを知る事に。そして彼らが託した後世の日本人として今の自分はどうなのか?と。
戦争を単に批判的に描くのではなく、日本という国をどうするのか?と考えていく、その事が描かれていきます。“平和”ということが一番大事な事、ただ、今の日本を取り巻く状況からは、今度は”日本を守る“事を考えざるをなくなる、そんな事を感じた映画。出ている若い俳優さんたちの初々しさ、それを支えるベテラン俳優。
若い観客が多く、映画前は大声で話していましたが、映画のあとには、シーんと。年寄の我が家が出るまで会話はほとんど聞こえなかったです。福山雅治さんの歌もまた、心に響きますね

人気アニメの実写。
ヤクザと中学生という”普通には“絶対に知り合うことの無い二人。ひょんなことから一方的にカラオケの指南を求めるヤクザ、戸惑う中学生。
中学生は新人、それを綾野剛さん他ベテラン達がもり立てる、現代の童話のような話。全く違う世界の二人が、心を通わせる、その過程も。合唱部のボーイソプラノの中学生が変声期で悩み“きれいな声が出ない”という悩みを唯一打ち明けたヤクザ。それに対して”世の中、綺麗なものばかりでは成り立たない“というヤクザの言葉。何か素敵な心の通わせも感じられます。中学校のアルアル学校生活。半世紀近く前を思い出される、甘い思い出も。
観終わってスッキリとした心地になるそんな、映画。
あまりアニメは読みませんが、数少ない読んだアニメの実写化。アニメの世界をどう映画にするのだろうか、と思っていたら、まさに、アニメの世界。アイヌのアニミズムの世界を近代が覆ってくるスケール大きな映画。音楽がどこかで聞いた感じと思ったらキングダムの作曲家でした。多分、シリーズ化されると。面白い映画
カラー版とは全く別の映画のように。モノクロの世界はよけいに迫力が。そして俳優さん達の顔の陰影がより映画の深みを増します。
子供の時、最初に出会ったゴジラ、そのもの。素敵な映画
どうしても観たかった映画。愛知県では豊橋の映画館だけなので豊橋へ。
知里幸恵さんの“アイヌ神謡集”、最初に触れたのが半世紀近く前のラジオドラマ”日曜名作座“の森繁久彌さんと加藤道子さんの朗読。
文字を持たずに言葉だけで伝える“口承文化”。それをもつ数少ない民族であるアイヌ。そのユーカラの美しさとともに、そのユーカラ自体が生活規範でもあり先祖から後世に伝える口承。金田一京助博士に見出され、19歳で亡くなった知里幸恵さん、才能ある彼女のお陰で口承が文字に、文学に。
しかしアイヌ民族自体が日本人による長年の迫害、なんと20世紀末までアイヌの同化政策のための”土人法“が存在していたこと!日本の歴史の暗部を多くの日本人は知りません。
昨年、行きたいと長年思っていた北海道の登別にある知里幸恵さんの“銀のしずく博物館”にも行きました。自然と一体となったアイヌの人達の生き方、我々現代人が失った人間本来の生き方、そのものと。
人は結局のところは自然の一部、その中で生きていること、それを忘れて大事な物を無くしてきています。それが”進化“と言うならば、本当にそれが正しい進化なのだろうか?







コメント
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