社長の卓球日記

卓球の遠征記、その他日々感じたことを

いわて国体卓球競技終わる!

2016-10-07 10:24:01 | Weblog

 2日から競技の始まった第70回国民体育大会卓球競技が5日終了した。

 昭和45年以来、46年ぶり2巡目国体であった。この国体の為に5年ほど前から岩手県卓球協会では小野会長を本部長に強化本部が設置され、男子は白神コーチ、女子は平岡コーチを招聘し全国で勝てるレベルの練習を積み重ねてきており、また数々の合宿や県外遠征・視察を実施、岩手の卓球界が総力を挙げて臨んだ国体であった。

   

    *駒形神社 参拝

 そして、少年男子・成年男子の選手たちは、専大北上高校とその卒業生で編成され、少年女子・成年女子の選手は大野高校とその卒業生での編成となった。

   

   

    *開始式

 もちろん選手選考にあたっては選考会を実施し、また最近の大会や実績などを含め、厳正な選考がなされた結果であり、選手個々がそれぞれに頑張りがあって、栄えある岩手県代表を勝ち取ったのである。

 この岩手国体代表選手をめぐっての競い合いは、かなり熾烈なものであり地元国体に対する選手たちの意気込みが熱く伝わってくるものであった。

 その願いが叶わなかった選手の中には、充分な実績や力がありながら故障を抱えていた為に外れた選手など、代表となった選手に引けを取らない実力を持った選手たちがいたことを忘れてはいけないと思っている。

 さて、本題の岩手国体であるが結果は成年男子がトーナメント3回戦敗退(ベスト16)、成年女子予選リーグ2勝2敗(予選3位敗退)、少年男子予選リーグ1勝2敗(予選3位敗退)、少年女子予選リーグ1勝2敗(予選3位敗退)で終了し、地元国体での念願の8位入賞は残念ながらならなかった。

   

     *試合風景

 それでも、少年男子はあの全国の強豪東山高校勢の京都府を3-0と圧倒し勝利したことは驚きであったし、東京戦も1-3で敗れたがあと一歩まで肉薄し、今年3冠の愛工大名電の愛知県に対しても真っ向から挑み接戦の好試合を演じたことは、選手の力が全国の強豪にもある程度通用するものと証明された。

 少年女子も、インターハイ3位の高知・明徳義塾に対し1-3で敗れたもののそれぞれが互角の勝負を演じた。

 成年女子は、東京戦1・2番を会心の当たりで勝利し一時はもしかしてと期待を抱かせ、最後は日本リーグ1部のサンリツで固めた実力を見せつけられたが大健闘であった。

 さて、私が監督として率いた成年男子は1回戦は強豪兵庫県であり、勝ち目は岩手4.5に対して兵庫が5.5と劣勢だと考えていたが、周到な分析やその準備と地元国体というプラスαを加味して接戦になるだろうと覚悟していた。

 1番の大槻は緊張とプレッシャーで手の震えがいつまでも止まらなかった。しかしその中にあっても最後まで粘り強くプレーしたがストレート負け。私は試合後すぐ4番に必ず回るから、と大槻に練習調整を指示をした。

 2番北原は、スタートが上手く行かずなかなかリズムに乗れなかったが、何んとか3セット目を取ることが出来、少し落ち着きを取り戻したが遅く1-3と敗れた。

 いよいよ後が無くなった我が岩手チームであったが、「勝負はここから!」ともう一度選手と共に意思統一を図り、「最後まで諦めない強い気持ちで立ち向かおう!」と確認し合った。

 3番皆川には、ただ勝つだけでなくこの悪い流れを変えるような、相手にショックを与えるような試合を期待して送り出したが、皆川は鬼気迫る形相と闘争心で出だしから相手を圧倒、3・7・5の3-0と期待を上回る快勝で岩手の逆転劇の口火を切ってくれたことは本当に大きな勝利であった。

 4番大槻は、中盤から本来の動きを見せ、大槻らしい素晴らしいプレーの連続で1-2から関西学生チャンピオンの坂根(関西大)を3-2と逆転勝ちでラスト主将の北原につないだ。この勝ちは返す返すも本当に本当に貴重な1点であり、大きな興奮にさらせられたのである。

 そして、いよいよラスト5番の戦いが始まった。「出だしから100%で!」と送り出したがもともとスロースターターの北原の悪い癖が出て相手の好調さもあり、1セット目8本・2セット目6本といよいよ後が無くなり、ベンチに戻った北原も勝負の手を見い出せずにいた。その時、私はあらためて観覧席からの大応援団の大声援を受けていること、最後まで諦めずに踏ん張れば4番の大槻のように逆転勝ちが出来る!と激を飛ばし、「我慢していれば必ずチャンスは来る!今は我慢だ!」と励まし3セット目に送り出した。気持ちが吹っ切れた北原が3・4セット目をともに7本で奪い返し、これで全くの互角となり運命の5セット目の突入したが、出だしが悪く1-5でチェンジコート、本当の崖っぷちに立たされる状況になったが、徐々に相手も緊張し少しずつ挽回、ついに10-8とマッチポイントを握った。次の1本は北原にチャンスボールが巡ってきたが力が入り過ぎ、まさかのドライブミス。この時私はジュースを覚悟していた、案の定10-9からのラリーは押されて台から下がらされたがここで相手選手も緊張していたのかフォアドライブしたボールがサイドアウトとなり3-2からの大逆転劇がついに現実となったのである。その瞬間は会場中が大歓声に包まれ、まるで何が起きたのか、ガッツポーズはとってみたものの、本当にこの瞬間が現実なのか?私は、体が宙に浮いたような不思議な感覚の中にいた。

 監督という立場にありながら、ベンチでは亡くなった恩師や、お世話になったたくさんの人たちに「勝たせてください!」と懇願していた自分がいた。勝利への思いと負けたくない反骨心だけは最後まで強く持ち続けることができていた。そしてその思いはついに報われたのである。

 整列をし、監督同志のあいさつを交わした際、兵庫県の監督さんに「次の試合も頑張ってください!」と声を掛けられ、なんとも嬉しく有り難く感謝の気持ちで一杯になった。

 これだけの、激戦を戦ってくれた兵庫県のチームがいたからこそ、岩手も素晴らしい感動を与えられるパフォーマンスが出来たのである。相手チームの監督さんと選手にも感謝である。

 そして何より、スタンドで2時間48分もの長い時間必死に応援してくれた選手の父母や、専北とその応援団、大船渡からも駆けつけてくれた夜の協会練習に参加している子供たち協会員、そして妻子や職場の仲間、400人以上とも思われる大応援団の皆さんのおかげで勝たせて頂いたと感謝!感謝!しかないのである。

 退場の時は、小野会長兼強化本部長・川村総監督・長沼副会長・高橋理事長が出迎えてくれて、握手をしながら喜びを分かち合った。お互い目には光るものがあった。

 最後まで諦めずに戦い、それぞれが1点を積み重ね勝利をもぎ取ってくれた北原・皆川・大槻の3選手に手ごたえを感じるとともに、素晴らしい選手たちと一緒に戦える喜びと感謝をし最大の賛辞を贈りたいと思っている。

   

    *成年男子stuff

 2回戦は、富山県に対しプレッシャーから解放された3人の選手たちは、リラックスして本領を発揮3-0で勝利した。

 3回戦は、前年3位の埼玉県前回世界代表の塩野選手(東京アート)の2点は仕方ないと考えていた。あとの二人にどれだけ肉薄できるかがカギであったが、皆川が善戦及ばず西沢に2-3で競り負け、2番大槻は塩野に対して果敢に挑み2セット目を奪取ポテンシャルの高さを示した。3番北原も最後まで頑張ったが1-3と万事を休した。

 かくして岩手国体は終了したが、これまで私たちを支えてくれた小野会長・川村総監督・高橋理事長をはじめとする協会役員の方々、そして裏方で支えてくれた71国体責任者の高橋栄喜事務局長・大沢礼二会計担当事務局次長、佐藤・山門トレーナーや白戸・大川・伊東コーチやスタッフのみなさんへは、言葉だけでは言い表せないくらいの感謝の気持ちで一杯である。

 また、柏山会長をはじめとする奥州市卓球協会の方々、遠方からの審判員の皆さんそして全面的に支え、会場一番の声援を送ってくださった塚田先生、本当に感謝です。ありがとうございました。

 


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