この記事の通り、JR東日本の子会社で、秋田県内の大部分と青森県津軽地方(=JR東日本秋田支社エリア内)で事業展開していた「株式会社ジェイアールアトリス」が、6月いっぱいで幕を下ろした。(盛岡支社管内の「株式会社ジャスター」も同様)
アトリスの事業の大部分が仙台に本社がある「JR東日本東北総合サービス株式会社」へ移管され、「秋田支店」が新設されるようだった。
その中で、線路から離れた場所で1件だけ運営している食品スーパー「秋田生鮮市場 保戸野店」はどうなるのか、公式な発表はないまま、7月1日を迎えた。
結論から言えば、生鮮市場は何の変化もなく営業が続いている。【6日追記】後述の通りホームページを見れば東北総合サービスへ移管されたらしいことが分かるが、見なければそれすら分からない、以前のままの状況で。
店内に入っていないので細部は不明だけど、折込チラシでは月をまたいだ(運営会社をまたいだ)セールが開催され、7月になってから折り込まれたチラシも以前と変わりなし。
【7月17日追記】入店してみたが、ほぼアトリス時代と変わりなし。店員の名札はもちろん新しくなり、女性のエプロンも変わったかも。【7月23日追記】偶然かもしれないが、レシートの上部に従来なかった「<領収書>」の文字が付加されていた。他の部分は従来通り。
ホームページは6月30日のうちに更新。(アトリスのホームページはなし)
JR東日本本社のページからは関連会社としての「アトリス」の名は消え、東北総合サービスのページは「2015年7月1日、東北エリアのグループ一体となったサービス品質や運営力の向上を目的として、株式会社ジャスター及び株式会社ジェイアールアトリスと合併し、新しいJR東日本東北総合サービスとなりました。」と岩手と秋田が加えられた。
運営店舗のリストも更新され、盛岡支店はたくさん掲載されているが、秋田支店は「秋田駅及び周辺店舗(生鮮市場・おみやげ・カフェ)」として4店舗だけ載っている。NEWDAYSとか他にもあるのに…
土崎駅の「そば処 港ばやし」も、移管されたことが分かる。
生鮮市場は「秋田駅周辺 保戸野 店舗」「秋田駅より約 2km」と所在地も電話番号もなくアバウト。
新設された東北総合サービス「秋田支店」はどこにあるのか? アトリスの本社を転用?
中通七丁目の道路と線路に挟まれた、JR東日本の敷地の一角にあった、アトリス本社は現在は、
右手前がアトリス本社跡。その奥は秋田支社の建物群で、その先の右が秋田駅
自販機は稼働していたが、あとはすっかりもぬけの殻(元から特に目につくものはなかったけど)で、看板の跡で「ジェイアールアトリス」の文字が分かる程度。
ドアには6月吉日付の社長名の「事務所移転のご案内」が掲出されていた。
6月29日・月曜日から移転し、電話・FAX番号はそのまま、駐車場はないとのこと。
実は6月30日時点ではホームページにも場所が掲載されていたのだけど、翌日辺りにはそのページが見られなくなってしまった。(他にもリンク切れなどがちらほらあって、急いでホームページを更新したようだ。)
移転先は、秋田駅前から中央通りを少し西へ進んだ中通四丁目5-6、「秋銀・明治安田ビル」である。秋田銀行秋田駅前支店が1階に入る、かつての「金萬ビル」。その5階。
国鉄(秋田鉄道管理局)時代から所有している中通七丁目を離れた所に事務所を構えたのが、意外。
アトリスの建物はボロっちかったし、隣接の秋田支社の建物を建て替える話もあるらしいから、それを見据えての動きだろうか。
【9月1日追記】秋田支社建て替えが正式に発表された。
現在より南側(明田地下道側)に5階建てで建設。2016年1月着工、2017年春使用開始予定。
ちなみに、現・秋田支社の建物(旧・国鉄秋田鉄道管理局)は1958~59年に建設。【2日補足・現支社は3棟に分かれ、敷地面積は約5千平方メートル。新支社は約7千平方メートルの敷地に鉄骨造延べ床面積6250平方メートル】
同時に秋田県、秋田市、JR東日本秋田支社が連携協定を結んだ。現在の建物の跡に何らかの施設を造る。東口側にケア付き高齢者移住施設を造る構想も。(以上追記)
羽越本線・羽後牛島駅にある、「ジェイアールアトリス 秋田用地管理事務所」も順当に「JR東日本東北総合サービス 秋田支店 秋田用地管理事務所」となったらしく、看板はしっかりと替わっていた。
余談だけど、写真の秋田用地管理事務所の建物が、1990年代初め頃までは羽後牛島駅の駅舎というか窓口だった。
駅窓口をホーム上へ移したことにより、従来は改札内の地下通路だったものを、駅東西の自由通路(牛島Weロード)に転用。空いた元駅舎が用地管理事務所になった。
秋田魁新報には、JR東日本秋田支社本体の人事異動は掲載される。それを見れば本体-子会社相互の異動(出向)は分かる。それによれば、7月の段階でアトリス→本体や本体→東北総合サービスの異動はない模様。子会社内の異動は掲載されないらしく、アトリスの元社員の皆さんがどうなったかは、知ることができない。
アトリス解散を目前にした5月末や6月1日に、角館駅長と横手駅助役がアトリスへ出向していたのだが、どうされているだろう。(おそらく東北総合サービスへ移籍したのでしょう)
ついでなので、そのJR東日本秋田支社の異動から。6月23日と7月1日付で、けっこう大規模な異動があった。
ざっと目についたものを。
・広域異動
JRの異動は、基本的に「支社管内」だけど支社をまたぐ異動もあるにはある。例えば盛岡支社の青森駅に秋田支社から出向したり、首都圏へ出向する場合もあると聞いていた。また、現場と内勤の間の行ったり来たりは激しいとか。
今回は、東京支社上野運輸区副区長が秋田支社運輸部企画課担当課長、秋田総合車両センターの科長が大宮支社大宮総合車両センターの科長へ、弘前運輸区の主任運転士が本社内勤、秋田支社内勤から本社内勤という異動があった。
・助役いろいろ
この記事のように、鉄道の駅などには「助役」という肩書の人がいるけれど、偉いんだかそれほどでもないんだか、よく分からないでいた。秋田駅では、103名中24名も助役がいるという。
助役の中でも階級があるようで、今回の異動では、秋田駅の「助役」から秋田駅の「指導助役」に異動(昇進)した人がいた。ほかに、少なくとも運輸区には「企画助役」、車両センターには「管理助役」という職名も存在するらしい。
・駅長
今回は、土崎、湯沢、田沢湖、能代の各駅の駅長が交代。
前・田沢湖駅長は湯沢駅長へ異動(ということは新幹線が停まる田沢湖よりも湯沢が格上なのか)したほかは、各駅の前駅長はいずれも関連会社へ出向。
【2017年6月24日追記】2017年6月23日付異動では、土崎駅長が総務部企画室副課長に、大曲駅助役・副駅長が土崎駅長となった。
・プロジェクト
2名が運輸部車両課内の「新型車両導入プロジェクトチーム」なるものへ異動。うち1名は車両センター助役から。
そんなセクションができていたとは、五能線の電気式気動車導入を踏まえてのものだろう。(ひょっとしたら、ウワサの男鹿線の蓄電池車も?)
異動については以上。
最後に、その五能線などの(リゾートしらかみではなく)普通列車用電気式気動車。
先日の通り、ハイブリッド方式ではない。(ハイブリッド式と電気式の違いは、蓄電池の有無)
ネット上では、本件を指して「新潟・秋田にハイブリッド式新車両導入」としている情報が一部で見られた。リゾートしらかみと混同したのか、「今さら、ただの気動車を入れるわけはない」という思い込みによるのか…
その1つが、「日刊工業新聞」のサイト。
5月20日付で「JR東日本、新型ハイブリッド気動車を63両調達-国内外から公募調達し羽越線などに」という見出しの記事を掲載している。
会員登録せずに読む限りでは、本文はJR東日本の発表と矛盾はなく、「ハイブリッド」とは書かれていない。
気になって、図書館で実際の紙面(5月20日付3面・総合面)を確認したところ、見出しを含めて「ハイブリッド」の文字はまったくなかった。
オンライン版の見出しだけ間違っているようだ。
教えてやろうかと思ったけれど、1か月以上経って今さらだし…
そして相変わらず、秋田のマスコミ各社は、アトリス解散も五能線の新車導入も伝えていない。
アトリスの事業の大部分が仙台に本社がある「JR東日本東北総合サービス株式会社」へ移管され、「秋田支店」が新設されるようだった。
その中で、線路から離れた場所で1件だけ運営している食品スーパー「秋田生鮮市場 保戸野店」はどうなるのか、公式な発表はないまま、7月1日を迎えた。
結論から言えば、生鮮市場は何の変化もなく営業が続いている。【6日追記】後述の通りホームページを見れば東北総合サービスへ移管されたらしいことが分かるが、見なければそれすら分からない、以前のままの状況で。
店内に入っていないので細部は不明だけど、折込チラシでは月をまたいだ(運営会社をまたいだ)セールが開催され、7月になってから折り込まれたチラシも以前と変わりなし。
【7月17日追記】入店してみたが、ほぼアトリス時代と変わりなし。店員の名札はもちろん新しくなり、女性のエプロンも変わったかも。【7月23日追記】偶然かもしれないが、レシートの上部に従来なかった「<領収書>」の文字が付加されていた。他の部分は従来通り。
ホームページは6月30日のうちに更新。(アトリスのホームページはなし)
JR東日本本社のページからは関連会社としての「アトリス」の名は消え、東北総合サービスのページは「2015年7月1日、東北エリアのグループ一体となったサービス品質や運営力の向上を目的として、株式会社ジャスター及び株式会社ジェイアールアトリスと合併し、新しいJR東日本東北総合サービスとなりました。」と岩手と秋田が加えられた。
運営店舗のリストも更新され、盛岡支店はたくさん掲載されているが、秋田支店は「秋田駅及び周辺店舗(生鮮市場・おみやげ・カフェ)」として4店舗だけ載っている。NEWDAYSとか他にもあるのに…
土崎駅の「そば処 港ばやし」も、移管されたことが分かる。
生鮮市場は「秋田駅周辺 保戸野 店舗」「秋田駅より約 2km」と所在地も電話番号もなくアバウト。
新設された東北総合サービス「秋田支店」はどこにあるのか? アトリスの本社を転用?
中通七丁目の道路と線路に挟まれた、JR東日本の敷地の一角にあった、アトリス本社は現在は、
右手前がアトリス本社跡。その奥は秋田支社の建物群で、その先の右が秋田駅
自販機は稼働していたが、あとはすっかりもぬけの殻(元から特に目につくものはなかったけど)で、看板の跡で「ジェイアールアトリス」の文字が分かる程度。
ドアには6月吉日付の社長名の「事務所移転のご案内」が掲出されていた。
6月29日・月曜日から移転し、電話・FAX番号はそのまま、駐車場はないとのこと。
実は6月30日時点ではホームページにも場所が掲載されていたのだけど、翌日辺りにはそのページが見られなくなってしまった。(他にもリンク切れなどがちらほらあって、急いでホームページを更新したようだ。)
移転先は、秋田駅前から中央通りを少し西へ進んだ中通四丁目5-6、「秋銀・明治安田ビル」である。秋田銀行秋田駅前支店が1階に入る、かつての「金萬ビル」。その5階。
国鉄(秋田鉄道管理局)時代から所有している中通七丁目を離れた所に事務所を構えたのが、意外。
アトリスの建物はボロっちかったし、隣接の秋田支社の建物を建て替える話もあるらしいから、それを見据えての動きだろうか。
【9月1日追記】秋田支社建て替えが正式に発表された。
現在より南側(明田地下道側)に5階建てで建設。2016年1月着工、2017年春使用開始予定。
ちなみに、現・秋田支社の建物(旧・国鉄秋田鉄道管理局)は1958~59年に建設。【2日補足・現支社は3棟に分かれ、敷地面積は約5千平方メートル。新支社は約7千平方メートルの敷地に鉄骨造延べ床面積6250平方メートル】
同時に秋田県、秋田市、JR東日本秋田支社が連携協定を結んだ。現在の建物の跡に何らかの施設を造る。東口側にケア付き高齢者移住施設を造る構想も。(以上追記)
羽越本線・羽後牛島駅にある、「ジェイアールアトリス 秋田用地管理事務所」も順当に「JR東日本東北総合サービス 秋田支店 秋田用地管理事務所」となったらしく、看板はしっかりと替わっていた。
余談だけど、写真の秋田用地管理事務所の建物が、1990年代初め頃までは羽後牛島駅の駅舎というか窓口だった。
駅窓口をホーム上へ移したことにより、従来は改札内の地下通路だったものを、駅東西の自由通路(牛島Weロード)に転用。空いた元駅舎が用地管理事務所になった。
秋田魁新報には、JR東日本秋田支社本体の人事異動は掲載される。それを見れば本体-子会社相互の異動(出向)は分かる。それによれば、7月の段階でアトリス→本体や本体→東北総合サービスの異動はない模様。子会社内の異動は掲載されないらしく、アトリスの元社員の皆さんがどうなったかは、知ることができない。
アトリス解散を目前にした5月末や6月1日に、角館駅長と横手駅助役がアトリスへ出向していたのだが、どうされているだろう。(おそらく東北総合サービスへ移籍したのでしょう)
ついでなので、そのJR東日本秋田支社の異動から。6月23日と7月1日付で、けっこう大規模な異動があった。
ざっと目についたものを。
・広域異動
JRの異動は、基本的に「支社管内」だけど支社をまたぐ異動もあるにはある。例えば盛岡支社の青森駅に秋田支社から出向したり、首都圏へ出向する場合もあると聞いていた。また、現場と内勤の間の行ったり来たりは激しいとか。
今回は、東京支社上野運輸区副区長が秋田支社運輸部企画課担当課長、秋田総合車両センターの科長が大宮支社大宮総合車両センターの科長へ、弘前運輸区の主任運転士が本社内勤、秋田支社内勤から本社内勤という異動があった。
・助役いろいろ
この記事のように、鉄道の駅などには「助役」という肩書の人がいるけれど、偉いんだかそれほどでもないんだか、よく分からないでいた。秋田駅では、103名中24名も助役がいるという。
助役の中でも階級があるようで、今回の異動では、秋田駅の「助役」から秋田駅の「指導助役」に異動(昇進)した人がいた。ほかに、少なくとも運輸区には「企画助役」、車両センターには「管理助役」という職名も存在するらしい。
・駅長
今回は、土崎、湯沢、田沢湖、能代の各駅の駅長が交代。
前・田沢湖駅長は湯沢駅長へ異動(ということは新幹線が停まる田沢湖よりも湯沢が格上なのか)したほかは、各駅の前駅長はいずれも関連会社へ出向。
【2017年6月24日追記】2017年6月23日付異動では、土崎駅長が総務部企画室副課長に、大曲駅助役・副駅長が土崎駅長となった。
・プロジェクト
2名が運輸部車両課内の「新型車両導入プロジェクトチーム」なるものへ異動。うち1名は車両センター助役から。
そんなセクションができていたとは、五能線の電気式気動車導入を踏まえてのものだろう。(ひょっとしたら、ウワサの男鹿線の蓄電池車も?)
異動については以上。
最後に、その五能線などの(リゾートしらかみではなく)普通列車用電気式気動車。
先日の通り、ハイブリッド方式ではない。(ハイブリッド式と電気式の違いは、蓄電池の有無)
ネット上では、本件を指して「新潟・秋田にハイブリッド式新車両導入」としている情報が一部で見られた。リゾートしらかみと混同したのか、「今さら、ただの気動車を入れるわけはない」という思い込みによるのか…
その1つが、「日刊工業新聞」のサイト。
5月20日付で「JR東日本、新型ハイブリッド気動車を63両調達-国内外から公募調達し羽越線などに」という見出しの記事を掲載している。
会員登録せずに読む限りでは、本文はJR東日本の発表と矛盾はなく、「ハイブリッド」とは書かれていない。
気になって、図書館で実際の紙面(5月20日付3面・総合面)を確認したところ、見出しを含めて「ハイブリッド」の文字はまったくなかった。
オンライン版の見出しだけ間違っているようだ。
教えてやろうかと思ったけれど、1か月以上経って今さらだし…
そして相変わらず、秋田のマスコミ各社は、アトリス解散も五能線の新車導入も伝えていない。