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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

AD閉鎖/循環バスルート

2012-05-17 23:21:13 | 秋田のいろいろ
秋田市中心市街地の話題から2つ。
●旧ADやっぱり閉鎖?
3月にお伝えしたイーホテルショッピングモールが閉鎖されるかもしれないことについての続報。
まず、まとめると、
「イーホテルショッピングモール」の場所は、秋田市中心市街地の大町二丁目。ダイエー秋田店が入っていた「秋田ニューシティ(現在は解体されて更地)」の向かい。
歴史をさかのぼると、百貨店「本金」と「秋田名店街」の跡に、1987年に「秋田ワシントンホテル」とファッション系のショッピングモール「ファッションアベニューAD」ができたのが起源。
2007年にホテルの運営者が「グローカルホテルグループ」に代わって、名称も「イーホテル秋田」に変更。その後、2009年にホテルの運営企業がショッピングモールも運営することになり、ADから「イーホテルショッピングモール」に変わっていた。(しかし、その名はほとんど定着していなかった)

今年3月に、グローカルホテルグループが、費用的な面(家賃収入が減少し、固定資産税と通路部分の光熱費の負担が大きいため)からショッピングモール部分を今年夏(6月末)で閉鎖する方針であることが明らかになった。
7月以降もイーホテル部分とショッピングモール部分のうち工芸品店と秋田観光コンベンション協会の事務所は営業を続ける。
といった所が、前回の記事までの内容。


その後、ホテルと各テナントで、合同会社(朝日新聞では「日本版LLC」とカッコ書き)を設立して、モールを運営することがホテル側からテナント会へ持ちかけられたようだ。(3月29日)
また、秋田市長がホテル社長に会い、観光庁に「国際観光ホテル」登録すれば固定資産税が減免されることを伝え、モールの営業継続を要望した。(3月23日)


5月15日の朝日新聞秋田版や16日の秋田魁新報経済面によれば、このほどホテル側が資金面から合同会社設立を断念し、当初の通告通り6月末で閉鎖する方針であることを、テナント側に伝えたという。
テナント会側は「「一方的で承服できない」と反発」しているという。
秋田魁新報によれば、イーホテルの国際観光ホテル登録手続きは行われていないという。
朝日新聞によれば、ホテル社長は「(閉鎖するショッピングモールの)跡地活用について「改装して核テナントを誘致しやすくする」と話し」ているという。


個人的な感想・意見ですが…
もちろん、各テナントの経営者や従業員の皆さん、そのお客さんはショッピングモールが閉鎖されれば困る。でも、お客で困るのは、人口のほんのごく一部だけだと思う。
ダイエーが撤退し、その後食品スーパーが出たり入ったり潰れたりして、ニューシティがなくなり…といったこの辺りで商業施設がなくなるなどした当時、周辺に住む多くの人(特にお年寄り)から、「買い物に行く場所がなくなる」「なんとかならないのだろうか」という声をよく耳にした。
しかし、イーホテルショッピングモールがなくなるかもしれないとなっても、そうした声は少なくとも僕の周囲では聞かない。「寂しくなる」という声はあるが、なくなることへの切実さは感じない。
申し訳ないが、それだけ、(現時点では)必要とされていない商業施設だったのではないだろうか。

以前から空きテナントがあり、しかも「ファッションアベニュー」すなわちファッションビルのコンセプトからはずれた店も少なくなく、そのため店の構造や雰囲気もそぐわなく感じていた。

ここでこのままで営業を続けるのには、ムリがあるように思う。
社長が言うように改装して新しいテナントを呼び込むというのもなるほどとは思うが、果たして来てくれるテナントはあるのか、そもそもそんなカネがあるのなら閉鎖についてもうちょっと考えてもいいような気もする。


4月初めの強風で、イーホテルの看板が一部破損・落下した。
その後、足場が組まれていたが、最近(今週初め?)、新しい看板になっていた。
紺色になった
今までとは、色とデザインが異なる。


向かいの秋田ニューシティ跡地も、まだ使い道が見えてこない。昨年6月には今年夏までにbjリーグの施設を造るという話があったが、あれはどうなったんだ…

【6月20日追記】イーホテルショッピングモール2階で営業していた「辻兵」の学生服や贈答品部門の店舗が、1階北西角に移転して6月21日から営業するとのこと。
ファミリマートの事務所の隣で、昔日本旅行があった部分かな。
したがって、モール閉鎖後は、1階西側の通りに面したテナント(北から辻兵-ファミマ事務所-ホテル入口-秋田観光コンベンション協会-(通路への入口は閉鎖?)-藤木)のみで営業を続けることになると思われる。

※イーホテルショッピングモールについての続きはこの記事末尾


●循環バスのルート
全国的には多くの都市で運行されている、100円バスも市街地循環バスもなかった秋田市。
中通一丁目の再開発に当たり、当初は無料のバスを運行する計画があったものの、トーンダウン。
結局、今年度に秋田市が100円バスとして試験運行を行うことになっていた。
※秋田県が作って試験運行するという「EVバス(電気バス)」とはまた別物です。

5月16日付秋田魁新報社社会面によれば、そのルートの案が固まった。
見出しは「巡回バス路線案固まる/南大通り、市民市場にも」であり、「循環バス」ではなく「巡回バス」となっている。秋田市が定めた正式な言い回しなのか、魁が創作したのかは分からない。(以下、この記事では「循環バス」とします)

5月22日の秋田市地域公共交通協議会でルートを協議した上で、運行主体の秋田中央交通が秋田運輸支局に申請する方針だというので、まだ「案」なんだろう。(やっぱり中央交通が運行するのか…)
一部既報と重複するが、ルートは一周約4キロ、計13の停留所、所要時間20分、バスは25人乗り、中通再開発がオープンする7月21日から来年2月末まで9時~17時に毎時3本=1日24本運行。

新聞にはルートが図入りで掲載されているが、新聞の見出しのように、南大通りの一部も通ることになった。具体的には、
秋田駅西口→広小路→通町→秋田ニューシティ跡前→日銀秋田支店前交差点→二丁目橋交差点→北都銀行前→五丁目橋交差点→南大通り→中通六丁目交差点→秋田市民市場前→市民市場入口交差点→買物広場→秋田駅西口
(反時計回りの片方向のみ)
Googleマップに加筆。赤い線が循環バスルート、細い青は既存一般路線バス(主要路線のみ)

南大通りは、現在もバスが通ってはいるが、ごくごくわずか。たしか平日朝に片道2便(秋田駅西口発と大学病院発の県庁方面行き)だけ。
南大通りを、これほど多くのバスが走ることは初めてだと思われる。(現在の2本は西向き、循環バスは東向きで運行方向は逆になる)

以前から何度も言っているように、市街地であり、病院や高齢の住民が多いのに「路線バス空白域」である南大通り周辺に路線バスが必要だと考えていた。それが実現されることになる。
南大通りをルートとしたことについて、魁では「1日約800人の外来患者が通う中通総合病院近くの南大通りや秋田市民市場もルートに組み込んだ。」としている。

実際には、中通総合病院の外来患者の診察受付開始は8時だから、9時始発の循環バスで出かけようとすれば出遅れてしまう。それに、秋田駅から病院に向かう際は遠回りになるし、バスを降りて南大通りを横断しないといけない。(これらの点は、弘前の土手町循環100円バスにおける弘前大学附属病院と似た状況)
一方、今まではバスで中通総合病院へ行かれなかった地域の人にとっては、アクセス手段ができることになる。以前書いたと思ったけれど「通町から大町五丁目まで1キロ弱バスに乗り、そこから病院まで1キロ弱歩いて通院する」人にとっては、循環バスを使えば歩かなくて済むことになるので朗報だ。
仮に試験運行終了後も継続して運行するとなれば、試験運行の結果次第ではルートや時間帯が変わったり、病院前まで乗り入れたり(病院が工事中だから当分は無理そう)という可能性もあるだろう。


循環バスのルートは、既存路線バスとは、秋田駅→通町→日銀前交差点(大町通りバス停)において完全に同じルート。ここをもうちょっと工夫して“棲み分け”できそうな気もする。1本西の茶町通りを通すとか。
また、ルートや方向は異なるため場合によっては遠回りになるが、通町のほか、交通公社前、北都銀行前などと秋田駅方面の間を一般路線バスよりも60~70円安く移動できることになる。
若干ややこしいのは、通町~北都銀行前にかけては、一般路線バスの秋田駅行きとは反対側のバス停が循環バスのバス停になること。旅行客や不慣れな人は戸惑いそうだ。「一般路線バスの秋田駅行きはこちら側、循環バスの秋田駅行きは向かい側のバス停です」などと注意書きがあれば親切。


ルート中のバス停は13だという。
ルート上にある、現在の一般路線バスのバス停を挙げてみると、
秋田駅西口、千秋公園入口、木内前(木ノ内じゃないよ!)、通町、大町通り、交通公社前、北都銀行前、五丁目橋、中通六郵便局前、南大通り・中通病院前、市民市場前、買物広場
※五丁目橋~市民市場前は現状は逆方向側にしかバス停がないが、向かい側にも設置されると仮定
だから12。
したがって、新しいバス停は1つしかできないことになる。

新しくできる1つは、そもそも再開発完成が運行のきっかけだから「エリアなかいち前」とかだろうか。
でも、せっかくの小型車両による循環バスなのだから、一般路線バスよりもバス停を増やし、こまめに乗り降りできるようにしてほしい。弘前はじめ、多くの都市の市街地循環バスで行われているように。
例えば、ルート上に「ねぶり流し館前」バス停があるように思われるが、これは一般路線上り側にしかないバス停。向かいの循環バスが通る側にはバス停がない。このままだとすれば、ねぶり流し館やサン・パティオ大町に循環バスで出かける人は不便(通町バス停を使うことになる)。循環バスが走る側にもバス停を設置すれば便利になるはず。
ほかに「アトリオン前」「秋田南税務署入口」「あきた文学資料館前(or入口)」なども考えられるかもしれない。(ルート上はいずれも交通量の多い道路なので、バス停新設は難しそうではあるけれど)

【6月1日追記】秋田市南通商店街振興組合のホームページによれば、平成4(1992)年10月に「南大通り経由バス運行について秋田市へ陳情」していた。
(上記の通り、現在の南大通り経由は本数が少なくて、これでは要望が実現しているとは言えないだろう)
それからちょうど20年経って、やっと実現することになる。

※ダイヤ等詳細が分かった続きはこちら
コメント (12)
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