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循環バス詳細

2012-07-05 23:36:34 | 秋田のいろいろ
今日の秋田市は、15時から16時の1時間で26ミリの雨が降るなど、時折激しい雷雨の1日だった。
そんな中、秋田市中心部の旧日赤病院・婦人会館跡地の「中通一丁目地区市街地再開発事業」のうち、先陣を切って商業施設がオープンした。
報道や他の方々のブログ等で紹介されていると思うので、ここでは再開発施設は紹介しません。

でも、せっかくなので、再開発関連の情報を簡単にまとめておきます。
・再開発エリアの名称は「エリアなかいち」。
・「秋田市にぎわい交流館AU(あう)」や新しい県立美術館のオープンは7月21日。その時が再開発施設の正式なオープン日で、記念式典が行われる。
・県立美術館は7月21日は「暫定オープン」。建物内部の空気を美術品が展示できる環境に整うのを待つため、本オープンは2013年秋頃の見込み。
・住居棟(分譲マンション)は、東日本大震災の影響で工事が遅れ、今年秋完成。(7月21日のオープン自体も当初より3か月ほど遅れた)
以上。


この記事は、再開発完成の21日から運行を開始する、循環100円バスについて。※前回はこの記事下のほう
このバスは、秋田市が運行するもの。
当初は[再開発エリアの駐車場収入を使って無料で、電動の乗り物を運行する]というもの(この記事)だったが、それがトーンダウンして[乗車料金100円の小型バスを試験運行する]ということになった。(一方で運行エリアは当初の計画より拡大している)
(再掲)赤い線が循環バスのルート(青い線は既存の主な一般路線バス)
運行業務は秋田中央交通に委託され、一方向の環状ルートで一周約4キロ、25人乗りのバスを使って、来年2月末まで運行する。


ここで誤解なきようにお願いしたいのが、少なくとも現時点では秋田県が開発している電気で動くバス(EVバス)とは別物であるということ。EVバスも秋田市街地で試験運行する計画があるというので、紛らわしい。※県の電気バスに関する当ブログ最初の記事
EVバスは、中型バスのいすゞエルガミオがベース。先ごろ、ダークグレーをベースにした車体デザイン図が公開され、愛称が公募されている。開発組織に中央交通が名を連ねているので、こっちも運行は同社が行うのだろう。
7月21日には再開発エリアで出発式・試乗会(一般人も乗れるらしい?)を行う。(この点も、循環100円バスと誤解を招きそう)
今年度は、データ収集と改造、イベントでの展示や運転などがメインのようで、営業運転は来年度の予定。


100円循環バスに話を戻します。
中央交通の公式サイトに、今日付で「中心市街地循環バス(実証運行)についてのお知らせ」というPDFファイルがアップされた。(http://www.akita-chuoukotsu.co.jp/img/files/pdf/%E5%BE%AA%E7%92%B0%E3%80%80%EF%BC%A8%EF%BC%B0.pdf)
今までの中央交通なら、このような受託運行ならなおさら、情報公開が遅れていたのだけど、今回は秋田市のホームページにもまだ掲載されていないようなので、素早い。
それにより、100円循環バスの詳細が明らかになった。以下、その内容とコメントです。

【21日追記】以下の内容は、記事アップ当時の情報に基づく推測であり、実際の運行時とは異なる点があります。実際にどうなったかは、運行開始時の記事をご覧ください。

・事業そのものは、秋田市都市整備部まちづくり整備室の担当
・運行は、秋田中央交通秋田営業所が担当

南通築地方面などを走る小型バス(日野リエッセ)も同営業所所属だが、やはりその車両を使うのだろうか?
(再掲)この車両?

・運賃は1回100円、小学生以下は無料、回数券・定期券・各種割引証等の利用は不可
現金払い100円のみということ。
これは他の都市の100円バスでも同様のところが多い。料金を100円にしていること自体が既に「割引き」であり、二重の割引きはしないという考え方だろう。今回は試験運行であるし、複雑なことはしないという事情もあるだろう。
でも、子どもが半額でなくタダということと、障がい者割引きが適用されないらしいのが珍しい。

・バス停について
前回の記事で、バス停は13か所ということは分かっていたが、今回、その名称も判明。
前回は、「ルート上の既存バス停が12なので、新しく1つできるのか」と予想していたが、それは「ねぶり流し館前」だった。
ねぶり流し館前は、現在は新屋線・割山線の上り側にしかバス停がない。交差点の位置関係等で下り側(循環バスが通る側)にはなかったのだが、そこに新設するようだ。サンパティオ大町の前辺りか?
前回も書いたが、南大通り近辺の五丁目橋~市民市場前の各バス停は、既存路線が片道運行のため、現在は循環バスルート側にはポールがないから、ここも新設ということもできる。
買物広場は5番乗り場、秋田駅西口では10番乗り場(県内高速バスや長崎屋方面の乗り場)を使う。

・時刻について
一周20分ちょうど。秋田駅ではなく1つ手前の買物広場を起終点とする。買物広場発車の3分後に秋田駅西口発。
買物広場【2015年7月26日訂正】秋田駅西口から通町まで5分、交通公社前まで8分、南大通り・中通病院前まで13分、市民市場前まで15分。
買物広場までは、通町から12分、交通公社前から9分、南大通り・中通病院前から4分、市民市場前から2分など。
駅前始発が原則である秋田のバスにおいて、買物広場始発は初めて。下記の通り、ダイヤも買物広場を基準としているので、そうした点に慣れない秋田の利用者は戸惑うかもしれない。
駅から交通公社、通町や交通公社から駅へ行く場合は、一般路線バス(いずれも所要時間5分前後)のほうが早い。これは片方向運転のためやむを得ないのだが。
※この後、2015年8月からバス停間の所要時間が若干変更された。

運用としては、始発便として9時00分に買物広場を出たバスが、9周して12時00分に買物広場に到着。
次は12時20分に出て5周して16時00分着。
最後は16時20分に出て2周して17時00分着で運行終了。
と、3つの行路からなるようだ。同時に複数台が走ることはなく、常に1台のバスしか走っていない単純なもの。
原則20分間隔(買物広場を毎時00、20、40分発)での運行だが、行路の境目では1本間引かれて40分間隔となる。つまり、買物広場12時00分発と16時00分発の便が存在しない。また、各行路の最後の便は買物広場止まりで、秋田駅前には行かない。買物広場16時40分発→買物広場17時00分着が最終便。
境目が40分間隔となってしまうのが、分かりづらいし使いにくそう。なんとかできなかったのだろうか。

時刻表には、
「買物広場では、乗務員の交代のため出発まで多少時間がかかる場合もございます。」
「買物広場では、車両交換のため乗り換えをお願いする場合もございます。乗り換え時は運賃の精算はありません、降車時に精算となります。」
とある。特に2つ目の精算うんぬんがちょっと分かりづらい。
おそらく、買物広場を越えて乗車する際、買物広場で車両を乗り換えてもらうケースがあり、その時は買物広場ではなく、最後に降りる時に100円払えばいいということだと思う。(これは12時と16時の2度だけ発生するのか、あるいはもしかしたら他の便でも途中での車両交換があるということなのかもしれない)
これは運行側の都合で乗客に乗り換えを強いているのだから、当然の措置。


以上、見てみると、青森県弘前市で弘南バスが運行している「土手町循環100円バス(この記事など)」と似た点が多い。
通勤通学時間帯を除いた昼間の運転、片方向の環状ルート、小型バス(弘前は現在は中型化)、駅の1つ手前が起終点、あくまで起終点バス停までの運行なので最終便は駅へ行かないことなど。
あちらは1998年から14年に渡ってずっと運行され続けているから、見習うべき点が多かったというところか。

なお、相違点としては、弘前は同時に複数台が動いている(現在は10分間隔だが、以前の20分間隔の当時も)こと、始発停留所(弘前バスターミナル)での待ち時間が10分近くに及ぶ場合があること、車両交換の場合は先に降りるバスで運賃を支払って「乗換券」をもらい、後に乗るバス降車時に渡すことなど。



暑い時期や吹雪や厳寒の時に、100円で市街地を移動できるのは個人的には便利で助かる。
循環バスの運行範囲は、一般路線バスでの運賃が160円の範囲内(ねぶり流し館前と大町通りだけは170円)。割引率がもっとも高い買物回数券で運賃160円の区間に乗ると、実際の支払額は115円に相当するので、それよりも得。買物券は平日は10時から16時までしか使えないが、循環バスの運行時間はそれよりも若干長いし。
市民にはどう受け取られて、どんな試験運行の結果となり、秋田市がどう判断するだろうか。
【6日追記】このルートでは「中心市街地内での移動手段」であり、「中心市街地以外から人を呼び込む」ことには直接的にはつながらない。一般路線バスや自家用車で中心市街地へ来て、わざわざ循環バスに乗り換える人もいるまい。
一般路線バスと乗り継げば循環バスの料金が割り引かれるとか、循環バス利用者は商店で特典があるとか(他都市で例あり)、付加価値が必要かもしれない。

※続き(バス停ポール設置)はこちら

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