「私は福祉就労に全然否定的じゃないよ。ときどき誤解している人がいるけど」と、私は栗林先生に言った。
「そうでしょ」と栗林先生は答えた。
私は今回札幌で、天下の札幌駅前に平置き駐車場があり
しかも満車ではないことに驚いた。
横浜なら、東横線の各駅しか停まらない駅前だって
平置き駐車場なんて作る余裕はない。
不良債権化して空き地だらけのみなとみらいくらいだ。都会で平置き駐車場があるのは。
でもこのスペースの豊かさはよしあしがある。
北海道は広いがゆえに、養護学校に行くとなると、小学校から寮生活になることもある。
親御さんとして小学校の間くらい手元に置きたいと思うのは不思議ではない。
だから、地域の学校に、かなり重度の障害のお子さんがいる。
大地君のクラスメートにも、もちろんいる。
大地君は「僕たちは発達しているよ」の中で、クラスの様子をこう書いている。
=====
みんな、修行の内容も、勉強の内容も、勉強の目的も、勉強の方法も違います。同じ三年生で同じ算数でもやっていることが違ったり、同じプリントでもやり方が違います。発表会でもやらなくていい人はいません。特別な道具で楽器を演奏したり、鈴を持ってトランポリンでジャンプして音を鳴らす役目の人もいます。出来ないことをやらされたりはしません。でも、嫌ならしなくていいよとは言ってもらえないし、無理だと思うからこの人だけしなくていいよともいきません。栗林先生は「みんな人間なので修行が大事で、小学生なので学校でみんながやることは一緒に参加しないといけない」と言いました。特別な方法だったり、特別な道具だったりしても、みんなが一緒に頑張ります。
=====
今度の本で、大地君にこちらからリクエストして書いてもらったのはこの部分だった。
重度のお友だちと、大地君みたいな子たちと、どうやって一緒に修行しているのか。
重度のお友だちは、将来作業所で働くことになるかもしれない。
働かないよりずっといい。と私は思っている。
重度の方でも
何かしら通うところができるくらいまでは、修行してもらいたいな、と一般人として思っている。
たしかに福祉就労の工賃は安い。
それで経済的な自立を果たせる金額を手に入れることは難しいかもしれない。
それでもどこか一般企業に雇用されるより
低いバリアで居場所が得られる。
「続自閉っ子、こういう風にできてます!」の中で、岩永先生が言及されていたけれど
2003年の段階で、十一元三先生と神尾陽子先生がすでに検証されている。
自閉症の人はそうではない人より、何か反復課題を与えられたときに精神的な安定を見せることを。
私が「就労」にこだわる理由はこれなのだ。
精神の安定。
賃金は多いほうがいい。
一般就労のほうが高い。
でも何もしないより、したほうが精神が安定するという検証結果が出ているじゃないか。
それに私自身
仕事があったほうが、やることがあったほうが安定するASDの人たちを
私はこの十年たくさん見てきたから。
ちゅん平さんは現在、就労移行支援を受けている。
このブログでも、そして「自閉っ子的心身安定生活!」でも再三わかるとおり
私はもう、あの弱かったちゅん平さんが週五日働いているだけでとても喜んでいる。
私がこだわるのが自立できるだけの賃金だとしたら
こんなに喜ぶはずはない。
何かやることがあること。
それによって本人が安定すること。
私はそれを喜んでいる。
10月16日、私が北海道で講演だった日
ニキさんは四国で講演があった。
前日、電話がかかってくると思っていた。
シーズン最初の講演の前、ニキさんはいつも緊張して「緊張してるよ~」電話をかけてくるから。
でもかかってこなかった。
私もこちらから、あえてかけなかった。
講演が終わってから、報告の電話がかかってきた。
「昨日緊張電話かかってこなかったね。もう緊張しなくなったのかなと思ってあえてかけなかった」と言ったら
翻訳の仕事が忙しかったんだそうだ。
そして、忙しいと不安がどこかへ飛んでいく。
「ヒマがウツを連れてくるって岩永先生言ってたけど、ほんとだねえ」とニキさんは言った。
ヒマはウツを連れてくる。
私が多くのASDの人に、仕事があったほうがいいと思うのはこのためなのだ。
そろそろ大地君の本、一般書店に並びます。
近くに並んでない方、花風社のHPからお申し込みください。
藤家さんが書いてくれた「自閉っ子通信」ついてきます。私は涙が出ましたよ。
「そうでしょ」と栗林先生は答えた。
私は今回札幌で、天下の札幌駅前に平置き駐車場があり
しかも満車ではないことに驚いた。
横浜なら、東横線の各駅しか停まらない駅前だって
平置き駐車場なんて作る余裕はない。
不良債権化して空き地だらけのみなとみらいくらいだ。都会で平置き駐車場があるのは。
でもこのスペースの豊かさはよしあしがある。
北海道は広いがゆえに、養護学校に行くとなると、小学校から寮生活になることもある。
親御さんとして小学校の間くらい手元に置きたいと思うのは不思議ではない。
だから、地域の学校に、かなり重度の障害のお子さんがいる。
大地君のクラスメートにも、もちろんいる。
大地君は「僕たちは発達しているよ」の中で、クラスの様子をこう書いている。
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みんな、修行の内容も、勉強の内容も、勉強の目的も、勉強の方法も違います。同じ三年生で同じ算数でもやっていることが違ったり、同じプリントでもやり方が違います。発表会でもやらなくていい人はいません。特別な道具で楽器を演奏したり、鈴を持ってトランポリンでジャンプして音を鳴らす役目の人もいます。出来ないことをやらされたりはしません。でも、嫌ならしなくていいよとは言ってもらえないし、無理だと思うからこの人だけしなくていいよともいきません。栗林先生は「みんな人間なので修行が大事で、小学生なので学校でみんながやることは一緒に参加しないといけない」と言いました。特別な方法だったり、特別な道具だったりしても、みんなが一緒に頑張ります。
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今度の本で、大地君にこちらからリクエストして書いてもらったのはこの部分だった。
重度のお友だちと、大地君みたいな子たちと、どうやって一緒に修行しているのか。
重度のお友だちは、将来作業所で働くことになるかもしれない。
働かないよりずっといい。と私は思っている。
重度の方でも
何かしら通うところができるくらいまでは、修行してもらいたいな、と一般人として思っている。
たしかに福祉就労の工賃は安い。
それで経済的な自立を果たせる金額を手に入れることは難しいかもしれない。
それでもどこか一般企業に雇用されるより
低いバリアで居場所が得られる。
「続自閉っ子、こういう風にできてます!」の中で、岩永先生が言及されていたけれど
2003年の段階で、十一元三先生と神尾陽子先生がすでに検証されている。
自閉症の人はそうではない人より、何か反復課題を与えられたときに精神的な安定を見せることを。
私が「就労」にこだわる理由はこれなのだ。
精神の安定。
賃金は多いほうがいい。
一般就労のほうが高い。
でも何もしないより、したほうが精神が安定するという検証結果が出ているじゃないか。
それに私自身
仕事があったほうが、やることがあったほうが安定するASDの人たちを
私はこの十年たくさん見てきたから。
ちゅん平さんは現在、就労移行支援を受けている。
このブログでも、そして「自閉っ子的心身安定生活!」でも再三わかるとおり
私はもう、あの弱かったちゅん平さんが週五日働いているだけでとても喜んでいる。
私がこだわるのが自立できるだけの賃金だとしたら
こんなに喜ぶはずはない。
何かやることがあること。
それによって本人が安定すること。
私はそれを喜んでいる。
10月16日、私が北海道で講演だった日
ニキさんは四国で講演があった。
前日、電話がかかってくると思っていた。
シーズン最初の講演の前、ニキさんはいつも緊張して「緊張してるよ~」電話をかけてくるから。
でもかかってこなかった。
私もこちらから、あえてかけなかった。
講演が終わってから、報告の電話がかかってきた。
「昨日緊張電話かかってこなかったね。もう緊張しなくなったのかなと思ってあえてかけなかった」と言ったら
翻訳の仕事が忙しかったんだそうだ。
そして、忙しいと不安がどこかへ飛んでいく。
「ヒマがウツを連れてくるって岩永先生言ってたけど、ほんとだねえ」とニキさんは言った。
ヒマはウツを連れてくる。
私が多くのASDの人に、仕事があったほうがいいと思うのはこのためなのだ。
そろそろ大地君の本、一般書店に並びます。
近くに並んでない方、花風社のHPからお申し込みください。
藤家さんが書いてくれた「自閉っ子通信」ついてきます。私は涙が出ましたよ。