治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

読者から託されたメール

2010-05-09 22:08:24 | 日記
さてさて、今日は五月場所初日で忙しく
忘れていました。
昨日の夜、寝ている間に読者の方からメールが来ていて
「ブログで伝えてください」というので、貼り付けます。

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私たちはそらパパのサイトで以前、袋叩きに会ったことがあります。今となればそれも自己責任ですからどうでもいい事です。
でも、そらパパもあのサイトに訪れる人たちも知っておいた方がいい。そらパパは我々と同じ『ただの自閉症児の父親』だということです。

花風社にとってはただの読者の一人でしかない。彼があのHPで書いているのは批評ではない。ただの「読者レビュー」でしかない。

自閉症児のカリスマを気取り、多くの本を批判し、何かにすがろうとしている親をネット上で非難しているだけだということをです。

我が子が自閉症であると診断を受け、藁をもすがる思いでネットで検索をかけると、そらパパのHPは人気があるのでしょうね。

すぐに検索エンジンに引っ掛かってきます。しかし、彼は決して『小児科医』『自閉症の権威』『療育の専門家』『作業療法士』『精神科医』どれにもあてはまらない。我々と同じ『自閉症児の父親』であること。そして、彼もまた娘の療育で心を痛め、あらゆる療育方法を模索している素人であること。

私は以前、そらパパのHPでさまざまな考えや意見を参考にし、療育センターや教育相談、医師にさえ「こう言っている人がいる。」彼のHPをプリントアウトし、「先生が言っているのはこの本の事ですね。」と、詰寄ったことも何度もあります。

私もB君のお父さんと同じようにそらパパのHPを鵜呑みにして、我が子の療育を滞らせてしまったバカ親の一人です。

浅見さんに言わせればそれも自己責任でしょう。私たち夫婦が目を覚ました時、主治医は言いました。「私たちにとっては、あのHPは有害サイトだ。」

私たちは大地君の『ぼく、アスペルガーかもしれない。』を読んで目が覚めました。問題となった最初の冒頭です。

「恥ずかしいのは大人になっても自分でご飯が食べられないことだ。」これにはいくつかの意味があると思います。

箸やフォークなどの道具を使って人間らしく食事が出来ること。それと、大地君のように知的障害のない子であれば、食べていけるように社会で働ける子にすること。

光君をこの世に産んだ戸部先生も「元気に働く大人になる。」ことを目標に光君を育てていました。

私は思いました。戸部先生も浅見さんも、自閉症については多くの書籍を読み、多くの専門家や医師、そして当事者やその周囲の人たちに会っているのでしょう。

私は以前、戸部先生が1冊の本を書くために膨大な取材をしている事を聞きました。
浅見さんもまた、大地君や藤家さん、そしてニキさんや岩永先生の本を出すためにわれわれには考えられない取材をしているのでしょう。

そしてお二方は同じ結論に達したのだと思います。「これからは自閉症児が皆、ゆっくり施設で過ごせる世の中ではない。出来る事をして、1円でも稼ぐ。社会に貢献できる大人であるべき。」

世の中はそのように動いているのでしょうね。私もやっとそこに気がつき、一つでも得意な事を生かして生きていけるように方向性を変えたばかりです。

そらパパを祭り上げている人たちも多くいますが、彼も我々と何も変わらない人です。ただの父親です。

神田橋先生が何百人…何千人の自閉症の治療をしてきたかわかりませんが、そらパパより多くの人を助けてきたのは事実です。

そして花風社の浅見さんも当事者、親たち、療育に携わる人たち、行政…多くの人たちと取材したうえでのメッセージが本です。

私は外科医です。2人の子供は一人はカナー、一人は広汎性発達障害です。それでも真実を見極められませんでした。

この世の中には、カリスマな親はいないのです。私に力があれば、そらパパのHPは潰したいです。

皆さんに言いたい。あの人の発言に踊らされていたら自分の亡き後は我が子に居場所がなくなります。

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