治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

住環境と原始反射統合と児童虐待

2022-12-05 08:00:55 | 日記
ここのところ縁あって、アメリカで原始反射の統合をしているセラピストの動画を見ました(社外秘)。
原始反射統合の動画、というより「動きの発達」を追った動画とも言えます。
身体の発達と情緒・学習面の発達の関連について今まで知っていたことを組み直したような体験でした。
赤ちゃんの動きの中にすでにヒトとして発達の芽吹きが見えます。
自閉症の子が立つのが早いとか、はいはいが足りないなどと言われますが、それがなぜ発達に、運動機能だけではなく情緒や認知面での発達に影響するのかもよくわかります。

そして動画であちらのセラピーの様子を見て気づいたことがあります。
日本の方が住環境的に子どもの体を育てるなあ、と。
単純な話で、家屋内で靴を脱ぐから、子どもが思う存分這いまわれます。
あちらでも子どもが這いまわる部屋は靴を脱いでいたりします。
またセラピストたちは靴を脱いでいます。
でもセッションに子どもを連れてきた親たちは靴を履いたままの人も多いです。

西洋の人たちの靴を脱がないことへのこだわりは、今マスクを外せなくなった一部の日本人のように「脱ぐこと自体が恥ずかしい」みたいなニュアンスがあるような気がしています。
セッションでは靴を履いた親達を迎える部屋にヨガマットを何枚も敷いて子ども達を這いまわらせていましたが、靴を脱ぐことを強制はしていませんでしたし子どもがそこで這いまわっていても靴を脱がない人もたくさんいました。

これに比べると最初から家の中では靴をはかない日本の家屋は、別に和室ではなくても子どもが育つのによい環境だと言えます。
それを目的に日本人が靴を脱ぐことを選んできたのではないでしょうが。
雨の多い国でもありますし。
ただ日本の方が子育てに適した住環境ではあるというのが再発見でした。

ふと、杉山登志郎先生のことを久しぶりに思い出しました。
虐待についての著作も多い先生がどこかに「子育ては最優先しないとあっという間に最もないがしろにされる」と書いてらしたのを思い出したのです。
だから親の生活苦や恋愛が親にとって優先的な課題になると、あっという間にネグレクトが始まる、ということでこれを読んだ当時私は「たしかにそうだ」と思ったものです。

そして今日本は国を挙げて、葛根湯で治る風邪の予防に夢中になり、施設の高齢者から人権を奪うだけではなく、子育てを最もないがしろにしていますね。
そしてかつてこういう説明をしてアンチである私でさえうならせた杉山先生は、それに対して一切発言されていませんね。
家庭ごとの虐待に対応しても、国ぐるみの虐待には死んだふり。
でもこれは予測できたことです。

コロナ禍は医療ギョーカイにとって儲けの一大チャンスです。
できるだけそれを長引かせたい。
そういう身内の論理の前におそらく発達の医師たちは口をつぐんでいるんでしょうね。
医療従事者がいかに身内に甘いか
よくわかったコロナ禍でしたので驚きません。

医療従事者の思考回路はもう一つあります。
それは「我慢してしまう人に我慢させる」ということです。
発達障害者に明らかな迷惑行為があって、それで一般人が傷ついても「社会の理解が大事」という美名のもとに自分たちは治す努力をせず迷惑行為を迷惑行為と呼ぶ一般人の正当な主張さえ耳を傾けませんでした。
効果があるかどうかわからない、というかほとんど効果がなかったとわかった数々の感染予防対策を一般人にまだやれというのは、それを命じることによって自分たちが「何かやった気になる」というだけのことです。
かつての「社会の理解ガー」とそっくりですね。
治療する気はない。発熱患者もみるきはない。でも注射と啓発(という名の一般人締め付け)だけはやりたいのです。そのためにエビデンスと言う言葉を都合よく使う。

ともかく葛根湯で治る風邪対策の名目の国家ぐるみの児童虐待に、かつての大家たちはなんにも言いません。
このことはよく覚えておきましょう。
私はそれを自分の裁判で知ったのです。
それでギョーカイを見限ったのですよ。


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