治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

対症療法か? 根本的に治す手法か?

2023-05-11 05:02:00 | 日記
さて、例えば栄養療法。
そして原始反射の統合。
こういうのは根本を治す手法か? それとも対症療法か?

とくに最近、「対症療法か、根本治癒か?」をめぐって栄養療法についてそれぞれ違う意見が出てきているようなので、私も戦線に参加することにしてこのブログを書いています。

私は両方とも、「対症療法ではなく根本的に治す手法」だと考えていました。身体アプローチ全般を根本治癒のための方法だと考えていた。
なぜそう考えたかというと、それまでの犬の曲芸的療育とは違い、行動変容のみならず一次障害を治すやり方だから。
ABA等では飴と鞭を使って、適応的な行動を引き出すことは目指すけど、たとえば知的障害を治したり軽くしたりはしない。
けれども身体アプローチや、広義の身体アプローチである愛甲さん方面の愛着障害治療などは知的障害を治す。
セラピストの手を借りなくても、こよりさんなどはご自宅でお二人のご子息を治した(詳しくは『支援者なくとも、自閉っ子は育つ』を参照してください)。

なので我々がやってきたことは対症療法の提供ではなく、もっと根本に働きかけるものだと考えてきました。

けれども大久保悠さん@てらっこ塾は、栄養療法、原始反射の統合は根本治癒ではなく対症療法だという。
そして対症療法か根本治癒かはやる人によって決まるという言い方もしていらっしゃいます。



大久保さんのこのブログや、いくつかの動画を見て、何を言っているか意味がわかってきました。

たとえば栄養不足が起きている。
たとえば原始反射が統合していない。
それを手当すれば劇的に伸びるという意味で、両手法とも一見根本治癒を提供する手法に見えます。

けれども大久保さんが言っているのは
「なぜ栄養不足が起きましたか?」
「なぜ原始反射が統合していないのですか?」
とそこまで考えましょうよ、ということです。

発達が遅れた原因はそこにあるからです。

栄養不足なら、母体の栄養不足に由来しているかもしれない。
それは親が育ちの上で培ってしまった栄養不足かもしれない。となるとその前の世代まで問題は遡る。
あるいは十分な栄養を与えているのに、吸収力の弱さかもしれない。つまり内臓の問題。
だとしたらいくらサプリ盛っても無駄になっているかもしれない。ならば内臓を立て直した方がいい。

原始反射が統合していないのは、胎内環境の問題かもしれないし、あるいは経験不足かもしれない。
乳幼児期に十分な発達刺激を与えられなかったのかもしれない。
ならば家族や本人の身体を含めた広義の環境を見直す必要もあるだろう。体操みたいなことをするだけではなく。

こういう「そもそも発達の遅れが起きた根本原因」を考えるのはなかなかつらいことだから、皆考えないのだと思います。
でも「何が悪かったんだろう?」と考えるより「(うちの場合)どこに伸びしろがあるだろう?」と考えると明るい気持ちで取り組めるのではないかと思います。
そして栄養療法にせよ原始反射の統合にせよある程度知れ渡ってしまったがために、そこがすでに伸びしろではなくなっているのにそれにこだわってやめどきがわからない人が多い、というのが大久保さんの懸念のひとつだったのではないでしょうか。

なぜやめどきがわからないことが問題かというと、すでに伸びしろを使い切った療法に執着してしまうと、もったいないし、ことによっては逆効果だからです。


『発達障害、治った自慢大会!』にもご登場いただいたいぬこさんが「さよなら栄養療法」という書き込みをしてくださいましたが


私もそろそろさよなら栄養療法のフェーズです。
先日もサプリ等の整理をしようと、「今後もとっておいた方がいいのは何か」を考えていました。

今の私がサプリやプロテインを使うのは緊急時限定で
ほとんどの緊急時は筋肉方面です。
コロナ禍では絶対に風邪を引かないようにCが必須でしたが
そろそろ風邪を引いてもいいような社会状況になってきました。
でもまあ、Cは便利だからとっておきましょう。
もちろんBも。
保存料甘味料の入っていないプロテインも一応常備しておきましょう。

マグネシウムは経皮でいいなあ。
とか、今の自分に合わせてカスタマイズしていくと気が付くのです。
今の私にとって栄養療法は対症療法じゃん、と。

でも栄養療法は「神経発達のための材料不足の人」には劇的に効きます。だからそのフェーズのお子さんたちには根本治癒だと言ってもいいと思います。

だけど、材料が揃っても、まだ材料を与え続けるだけが発達援助だと思っている人が多いみたいですね。
もう栄養療法の段階ではないのに
というか栄養療法に学んで家庭料理の工夫でなんとかなる時期なのに、他の発達援助を取り入れるべきなのに、サプリやプロテインに執着している、みたいな。
いぬこさんみたいな治したお母さんには、それがバカらしく見えるわけです。

材料が揃ったら、次の刺激が必要です。
そして多すぎる人工的な材料を与え続けて健康被害が起きないというエビデンスはまだないのです。
5歳からナイアシンやプロテインを飲んだ人が成長してどうなったか、まだケース報告されていません。
そしてワクチン同様、推進側はいいことしか言わないのです。
国でさえそうなのです。
だから各家庭の判断が大事なのです。
親としての本能で判断した方がいいです。
ずっとサプリやプロテインに頼るのか?
家庭料理で工夫するのか?
皆さんはすでにワクチンに関して各家庭で判断しました。
そのときと同じように、情報を集めて決めればいいだけです。

藤川本にはかならず「普通の家庭料理では質的栄養失調になる」と書かれていますが
そうではないのは多くの家庭が証明しています。
42万人死ぬ、からコロナ禍が始まったように
医療側は脅しの嘘をつく、というのは覚えておいた方がいいです。
私は藤川本から多くを学びましたが
日本の野菜の悪口と家庭料理の悪口は受け入れるつもりがないです。
野菜に力がなくなったのなら、その力の野菜からも栄養を吸収できるようになるほうが適応的です。

私が藤川理論から学んだのは
現代の便利すぎる食生活がビタミンやミネラルの代謝を持って行ってしまい、質的栄養失調が起きるということ。
だから鉄たんぱく質不足が起きるということ、でした。

だからさよなら栄養療法=ランチをカップ麺で済ます
ではありません。
そういう面では栄養療法は一生取り入れると言えるかもしれません。
でも私の身体は「サプリやプロテインは継続して常用するものではない」と判断しているので、それに従います。

一時的に常用が効果的な方もいるかもしれません。
それで劇的に治る人もいるでしょうし見てきました。
一方で、本当に健康な人はサプリやプロテインをのみつづけないこと、どこかでメガ盛りに見切りをつけることも見てしまったので、それは率直にお知らせするのが義務だと思っています。

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