治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

福島差別を笑えるか?

2011-04-15 07:23:27 | 日記
さて、昨日は朝のうちに刑事さんからの宿題をやりましたよ。
しゃかしゃかしゃかしゃか。
民事事件が決着したあとに花風社に対して起きた妨害行為のまとめ。
どれが山岸でどれが他の人かわかんないからとりあえず色々。
捜査がどこにどれくらい必要が決めるのは警察ですが
とりあえず事実関係を並べるのは私の役目ですからね。

一応自閉症協会にもメールを打ちました。
警視庁から捜査協力依頼が入るかもしれない、と。
警察が介入すれば、どこから誰が書き込んでいるか特定できますからね。

それからお仕事。

そうしたらニュースで、福島からの転校生が差別されているとかいう話が入ってきましたよ。

あああ
私は別に原発推進派ではありませんが
ここ数日の反原発の皆さんのやり方には疑問を覚えていて
こんなに口角泡を飛ばして原発を非難していては
それがかえって福島の方々への偏見につながるのではないかと恐れていました。

原発は怖いけど、原発を非難する姿には違和感を覚える。
珍しくアンビバレントでした。
そんなとき内田樹氏の「原発供養」というブログを読んで
今般の原発事故への態度はこれを採用することにしようと思いました。
興味がある人は「原発供養」でぐぐってね。

内田樹氏の言論については
私は用法用量を守って服用しています。
そして今回は、これでいこうと思ったのでした。
すとんと腑に落ちたからです。

以降が内田氏のブログを読んだあと、私が脳内でまとめた今回の事故。

原発は原爆とは違います。
原爆はこの国の人たちを殺すために、当時の敵国によって落とされたものですが
原発はこれまで40年間、私たちに電気を送ってくれていた。

耐用年度を過ぎても酷使され(その一因に反原発運動があるなんていわれてますが)
息もたえだえのところに、地震と津波の被害を受け
栄養補給(冷却装置ね)も途絶え

いわば今瀕死の状態にあるわけです。
もうおじいさんだったのだから。
そして今、垂れ流している。

なんとか安らかに眠ってもらおうと
喪の儀式を行っている人たちがいる。
そう。現場の方々ですね。

私たちはだから
原発おじいさんが安らかに眠りにつけるように
喪の儀式を行っている人々を心から応援しながら
祈っていようではありませんか、というのが私の気持ちです。

そして原発に「これまでありがとう」とお礼を毎日言っています。
怪獣扱いして騒ぎ立てるよりはこっちのほうを選びました。

でもおじいさんの垂れ流しが続くもので
おじいさん原発の近くにいた人たちは
避難したほうがいいことになった。

相当保守的に設定されているであろう国の基準によって
年間ひばく量を超えるかもしれないから
避難することになった。

そして私たちと一緒に暮らすことになった。

その人たちは私たちと同じ人間で
血肉と心とでできていて
当たり前だが原爆でも原発でもない。
内部で核分裂を起こしているわけじゃないのだ。

だからその人たちが近くにいても私たちはひばくしない。
汚いもののように扱うのは間違いですよ。

昨日私は広島の医療関係者に教えていただきました。

「ピカがうつる」という差別に戦後苦しんだ被爆者の人たち。
医学的な根拠のない差別がたしかにあった。
それをまたやってしまうのなら
戦後60年以上経って、私たちはなんにも変わってないことになる。

さて

昨日のブログを見て、ASDのお子さんを持つ保護者の方たちから
「思い違いを正すというのは絶対に必要なこと」
「浅見さんが今お金と時間と労力をかけてやっていることは、本来は親と支援者がやるべきことだったと思います」
などのエールをいただきました。

私が言っている
「障害者だからって、あるいは障害児の親だからって、好き放題やっていいというのは差別」

という考え方に同調してくださる方たちですね。

一方で藤居やベムや沼地やごんぼほったのように
「自分が感じたことなら未確認で書いてもいい。それが言論の自由だ」と信じ込んでいる親もいる。
親に遵法精神がないのだから
子どもに教えられるわけがないですね。

そしてこれに悪乗りする名大病院の吉川徹のような医者もいる。
こういう人が支援者として大きな顔をしているレベルの低さを見ると
別に自閉症支援が進まないのは予算の問題だけじゃなさそうですね。

この人たちはエビデンスベースドがお好きみたいなんだが
(それが花風社をいいようにこきおろしていいと思ってきた理由の一つだったはず)

まあこの人たちがやってきたことは今、福島の人たちを差別している人たちと変わりない。
法的な知識を欠いたまま
そして知識をつけようという努力も怠ったまま
大好きなエビデンスとは程遠い皮膚感覚で「脅しだ脅しだ」と騒ぎ立ててきただけです。

=====
1 他人に関する未確認の情報を書き
2 それが当たってない場合
3 法的措置を取られるリスクがあります

ここでは実は「2」がとても大事。
=====

ということを私が確信を持って言ってきたのは
私が実際に被害にあい
お金を払って元検察官の弁護士と契約し、
アドバイスをもらい
民事訴訟を起こし
刑事事件化するために弁護士に告訴状を書いてもらい
警察ともやり取りをしてきたからです。

最初に警察に言われました。
「展開によっては山岸は逮捕・拘留となるかもしれません。浅見さんはそれでいいですね?」

「いいです。たいていの自閉症者は罪は犯さない。その人たちの名誉のためにも償わせてください」

私はそう答えました。

そして山岸と同じように、未確認の情報を書き散らす人々に対しては

=====
1 他人に関する未確認の情報を書き
2 それが当たってない場合
3 法的措置を取られるリスクがあります

ここでは実は「2」がとても大事。
=====

と警告してきました。
それを「脅しだ脅しだ」と騒ぎ立てるのは
今福島から避難してくる方々を差別している人々と同じ「無知」に基づくものです。

昨日私にエールを送ってくださった保護者の方たちは
私と志を同じくしている方たちです。

「たとえ障害があっても悪いことは悪いと教えなくてはいけない」

こういう方針のもとで障害のあるお子さんを育てている方たちです。

ところがこれを「差別的」ととらえる保護者も一方でいる。
障害者は人前で性器を出しても、犬のように食べたあとお椀をなめても、挨拶ができなくても、不登校でも、よその子に暴力をふるっても
それでとがめられるべきではない。
そんなこと教える必要はない。障害者なんだから。
それをとがめるのは「差別だ」と思っている人たちもいる。
それどころか同じように障害のある子どもを授かっていながら、それなりの社会常識をなんとか教えようとする人たちの足さえ引っ張ってきたのです。
「名誉健常者」というおぞましい言葉を使って。

こういう人たちはもとから脳内に被差別意識を勝手に飼っているので
わりと誰か他の人が差別を受けたときにも敏感に反応して
「差別だ差別だ」と騒ぐ。

きっと福島の人たちへの差別に関しても
自分のことのように義憤を感じた振りをしていることでしょう。

でもね

=====
1 他人に関する未確認の情報を書き
2 それが当たってない場合
3 法的措置を取られるリスクがあります

ここでは実は「2」がとても大事。
=====

という私の忠告を「脅しだ脅しだ」とはやしたてた人たちには
今福島の人たちを差別する差別者たちの愚かさを笑う資格はありません。

同じように「ただの皮膚感覚にもとづいた無知」に基づいた行為を集団で行い
それを発言集にまとめ
その烏合の衆を味方だと見なした山岸がそれを拡散し
警視庁の知るところになった。

今福島からの避難者を差別しているのと、まったく同じ構造のことを自ら選んでやってきた帰結なのだと
ぜひ自覚してもらいたいですね。

皮膚感覚で決めていいことといけないことがあります。
それを私たちはわかっておきましょう。
そして原発おじいさんが永眠するまで近所に引っ越してくる福島の人たちを
ごく普通の隣人として受け入れようではありませんか。

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