治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

無から有を生み出す(盛岡こねこプロジェクトご報告) その3

2019-06-12 07:59:40 | 日記
栗本さんの座持ちはたいしたもんでした。
お子さんたちが楽しそうに参加するのです。
私は最初の頃、栗本さんの進行が下手で下手でハラハラしていたときのことをまだ覚えています。
場数を踏むというのはたいしたもんです。さすが毎週のように全国に呼ばれているだけあります。
あまりに安心して、なんだか眠気が襲ってくるほど。私も一応動こうと思っていたのですが、何しろ満員御礼状態で、動く場所がなかったのです。
でもみるさんに金魚してあげたりしました。みるさんはお母様とも何か取り組んでいました。いい親子のコミュニケーションしているなあ、と思いながら見ていました。

そしてこの10000パーセント無名のおっさんがこれほどの人気者になったのもやはり、私が「無から有を生み出した」からだと思いました。
いや、無とは言えないかもしれません。
私に何があったからこのおっさんを見つけられたのか?
問題意識です。
自閉っ子たちの身体感覚をどうにかしたい、という問題意識。
だからこそこの人に目をとめ、本のかたちに作り上げたのでした。
その本を通じてその知見が広がったのです。全国に。
我々も全国に行き、そして今回の講座も沖縄の人も北海道の人も来ています。
そこにはたしかな、顔を合わせたリアルな交流があります。

栗本さんは明日仙台から沖縄に飛び、支援者講座をする。それから大阪。それから長崎。同日に私は東京で講演。
ツイッターで匿名でしか吠えるしかない医療界の底辺層と違い、私たちは現実の中で支持を広げ、治る仲間を増やしています。

講座のあと、みんな笑顔でした。
こんなメールをいただきました。

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東北にとても素敵な会を開いていただきありがとうございました。

(中略)

講座の最後に子供たちが笑顔で手を振って、それに、みるさん、浅見さんが笑顔で応えてくれたとき、こみ上げてくる気持ちがありました。

来て良かったという気持ち。
笑顔と笑顔がつながっている温かさ。
治したいという気持ち。

本当にありがとうございました。

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沖縄のおっさんたちがちんすこうを持ってきてくれて、いっぱい食べてた少年たちもいました。
そのお母様からこんなメールをいただきました。

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盛岡の講座で「ちんすこう」を食べまくっていた兄弟の母です。

素晴らしい講座ありがとうございました。

メールリストの登録をお願いしたくメール致しました。

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了解いたしました。もうすぐ始まる「治そう! 発達障害 どっとこむ」のご案内からお送りしますね。

私の問題意識が栗本さんの本を作ることにつながり
それを読んで全国で喜んでくれる人が増えて

そして今、東北に新たな一歩を踏み出せた。
それを生み出したのは「地元でも医療・福祉の罠に囲い込まれない人生を送れる人を増やしたい」と願ったみるさん。
こんなに能力があったのに、要介護とされ、塩漬けにされていたみるさん。
そのみるさんが声を上げたところから、始まりました。
そしてそれを支えてくださった花風社クラスタの方たち。

たしかに、何かを生み出した一日となりました。

続く