治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

猫本巻末漫画裏話

2015-11-30 08:53:22 | 日記
まだ今のところ猫本を読んでいるのは初売りで買った方たちだけですが

昨日その読者の方から来たLINE。

=====
猫本読みました。
ハガキにたどりつき
号泣でした。

=====


そして別の方のついーと。

=====

猫本、イッキに読み終えました。
自分の子育てと重ね合わせ
後悔したり、今からでもやるか!
と、思ったり。
お子さんに障害があるなしにかかわらず
すべてのお母さんに、読んでほしい本だと思いました。
最後の漫画にジーンときて
いただいたハガキも何度も眺めてしまいます。

=====

そうなのよ。本の最後に泣けます。何十回読んでもあそこで泣ける。
本当はね、私のディレクションはあそこ1ページだったんです。でも画伯が2ページラフ上げてきてくれた。ここは2ページ必要だと思ったみたい。そしてあの漫画を見たら、どうしても入れたくて、調整しました。

それだけの価値があったと思います。
「苦しみはいつか終わる」ってわかる。
苦しんでいる最中の人にこそ、わかってほしいこと。

「支援者なくとも、自閉っ子は育つ」(猫本)、ご注文はこちらへ。

いじめられて当たり前

2015-11-30 07:21:45 | 日記
昨日はちゅん平が羽田に行く前ランチに来てくれました。
でも私の地元はとにかくイベントフルな街。イベントがある日曜日のランチなんてとにかく空いている店に飛び込まなきゃいけないのでてきとーに飛び込んだのが和食っぽいとこ。夜は居酒屋になりそうなとこ。ちゅん平は海鮮丼を、私は広島カキフライ定食を頼みました。なんでカキフライにしたかっていうと、先日からカキフライが頭に取りついていたからです。

私「この前ね、母が80歳の誕生日だったの。私は猫本の仕事で実家行けなかったんだけど、12月に父の誕生日があるからそれと一緒にお祝いするということで、とりあえずなんか美味しいもの贈っとこうと思って、電話して最近の食欲はどうかきいてみたの。お菓子方面がいいのかもっとがっつりしたものがいいのかと思って。そうしたら『昨日は二人でカキフライ25個食べた』というのでステーキ肉送っておいたわ」
ちゅん「ふむふむ」

でもまあ、80になった実母にステーキ肉送るとぺろっと食べてくれるのは幸せなことですね。

私のカキフライ定食で出てきたカキフライは四個。当然完食。
ちゅん平は海鮮丼完食。
本当に、考えられない。何も食べられなかった時を思うと。
でも今でも、ワンプレートだと食べやすいという自閉っ子あるあるは続いているそうです。だからどんぶり物的なものは食べられやすいみたいですよ。これは自閉っ子が三角食べとか苦手なのと共通ね。

まあそんなこんなでガールズ(?)トークをしました。
なんか恋バナ、とまではいかないけど、そういう話をすると、やっぱりアスペルガーだなあと思います。
心身健康なんだけどね。メンタルも快調なんだけどね。でもたとえば人を好きになりかたとかが私たちと(少なくとも私と)違う。同性も異性も。

以前別のアスペルガーの人にこういう話を聞いたことがある。
その人は過敏性もばっちりあり、おしゃれには限界がある。たとえばピンヒールとかは無理。でもピンヒールとか買うの好きなんだって。そして家に置いておいて見るのが好き。でもはくのはいやなんだって。足痛いから。

そこで私なんかは「はかない靴は観賞用には買わない」と思うのよ。これは実用性の問題もあるし、「そこまで視覚的に鑑賞欲ないなあ」というのもある。

でもそう考えると、視覚的要素をどこまで重視するかって本当にスペクトラム。
歌が好きで歌手のファンになる人もいれば、見た目に惹かれてアイドルのファンになる人もいるでしょ。
その点私は機能性重視なのね。そして身近に知っている人物じゃないと機能性なんてわからないから、遠くにいる憧れの人はどうしても肉体的に強そうな人になる。
だから芸能人に興味がなくてアスリートに興味があることになる。
そういう点で「面食い」という人たちが、私にはすでに理解不能。アスペルガーであってもなくても。

ちゅん平の恋バナ的な何かを聞いていると、それを思い出しました。たしかに治ったんだけど、何かがやはり違う。そしてそれは別にそのまんまでいいんだと思います。それぞれだからね。

でもどう考えてもちゅん平は昔と違う。
「やっぱり相当変な子だったよね」というので意見が一致しました。

私「今はもう、昔のちゅん平を知らない人が読者にいるから、どれだけ変だったかも知らない人が増えてるの。だから偽者だとか元から軽かったんだとか言われるけど、相当変だったよね」
ちゅん「鼻持ちならないガキでしたよね。いじめられて当然みたいな」

そうそうそう。
とにかく鼻持ちならない発言が多かった。
それがね、それいゆ(当時)の介入で本当にぴたっと止まったの。
だからそれいゆ・服巻先生すごーいと思ったんだよな。

南雲さんは今になって引きこもり時代を「やはり努力不足だったと思います」と言い切る潔さがあるけど
ちゅん平も「やはりいじめられて当然だったと思います」とからりと言える。
それは本当に健康になったからだと思います。

そして私は初めて、ちゅん平に「あれは鼻持ちならないと思った」という昔の発言の話をしました。そして二人で大笑いしました。

いじめの問題で、加害者側が100%悪いということを否定するつもりはありません。

でもやはり

「その発言してたらいじめられるよ」という発言を、ものすごい誤学習から繰り返すことがあるアスペルガーの人たちがいて

それは介入によって治るんだっていうことはわかっていてほしいですね。

羽田に行くちゅん平をバスまで送りました。
SNSで毎日つながっていても、やはりリアルのガールズ(?)トークは面白いね。