治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

クレジットカードと療育手帳

2012-11-03 10:20:45 | 日記
今月のクレジットカードの支払い額を見て、ぎょっとしましたよ。
多いからではありません。請求額が少ないから。あまりに。

たしかに書籍はリアル書店で買うことが多かったけどね。
新刊二冊抱えて忙しかったっていうのもあるしね。
それにしても、この私がこんなにお金を使わないなんて、日本経済が悪くなるはずですわ。

ADHDの書籍をさかんに出していたとき、ADHDの当事者の人たちと交流がありましたけど
クレジットカードにまつわるトラブルをよく聞きましたね。
「魔法のカード」みたいに思って、クレジットカードを持ったとたん「これでなんでも買える」と誤解して浪費してしまうパターン。中には自己破産した人も。

その認知の弱さにびっくりしたもんですけど、クレジットカードって別に所持することを過度におそれるものでもないと思います。
あれば便利。今はネット通販も発達しているし、飛行機だって搭乗券発行せずにこれで乗れるし。

さて、そんなとき、人に教えてもらって
「自閉症者の犯罪を防ぐための提言」の書評を読みました。

てんかんギョーカイの方なんですね。
以前エントリにもしましたが
てんかんギョーカイって、自閉症ギョーカイに比べると、清々しいですよね。
何しろ当事者が何か問題を起こしたとき、法令遵守の徹底を誓うんですよ。
社会のせいにして、当事者の法令遵守なんて誓ったためしのない(何しろ「障害と犯罪は関係ない」というのが公式見解だから)自閉症ギョーカイとは大きな違いです。

この書評書いた方は福祉関係の方のようですね。
最近知的障害者が起訴された件を書いています。
万引きの常習犯。方々の店で出入り禁止。
見つかるたびに、療育手帳を見せて見逃してもらっていた。
「障害無罪」の考え方でやってきたようです。
でもついに起訴されてしまい、国選弁護人がつき、今回はなんとか放免。
今度やったらこうはいかないだろうと悩まれている(イマココ)。

この知的障害の人は、必ずしもよこしまな気持ちで「障害無罪」を主張するため、療育手帳を振りかざしていたのではないかもしれません。
療育手帳が、クレジットカードみたいに思えていたのかもしれない。
いずれにせよ、ちゃんと悪いことは悪いと教えてあげてこなかった周囲の責任でもありますね、これは。

クレジットカードであろと障害者手帳であろうと
便利だけど、使い方はデリケートだし
限度額がありますよ。
それを忘れずに。

まさかりかついだ金太郎キティちゃん二色です。