「延命治療とかはしてくれるな頼むな」と言ったにもかかわ
らず亡くなるまでの2ヵ月間父はベッドの上で苦しんでいた、
医師の提示する治療を拒否するなんて考えもしなかった、こ
れは雑誌東洋経済「親を看取った600人の本音」のなかで
76歳の父親を亡くした息子さんの後悔の念が綴られた一節
である。
私の父も86才で亡くなって10年、亡くなる半年前に入院
してた病院の医師から言われた言葉を思い出す「何もしない
と明日まで持ちません」延命治療の選択を迫られた、考える
時間を与えてくれない、治療をしないでいいと言えない雰囲
気である、もし治療中止を希望すれば見殺しにしたと後悔に
苛まれると思った、結局延命治療をお願いした。
気管切開して人口呼吸器につながれ、手にはミントがはめら
れた状態である、痰がつまらないよう数時間ごとに痰を吸引、
最後に対面したときは苦悶の表情の父、さぞかし苦しかった
のではと思う、いまだに忘れられない、家族が後悔しない最
期とは?父が亡くなってからずっと思ってることである。