NPO法人日本語検定委員会の第14回「日本語大賞」に入選し
た石川県在住、主婦の「感謝の気持ちを言葉に」はコロナウイ
ルスで命を落した夫への感謝と必死に悲しみの淵から立ち上が
ろうとしてる思いが感じられる内容だった。
5年前、妻はがんになった、長期入院や抗がん剤治療で命はつ
ながった、夫婦二人暮らしで退院後、夫は家事全般を手伝って
くれた、ゴミ捨て、買い物、庭の草むしり、ペットの世話、風
呂掃除、お互いありがとうと感謝の気持ちを言葉にする毎日は
幸せだった。
それがある日、突然いつもの日常がなくなった、夫がコロナ感
染症で帰らぬ人となった、いきなり夫という支えをなくし目の
前が真っ暗、夫が亡くなってもうすぐ一年経つが未だに悲しみ
の淵から抜け出せないでいる。
「もう戻れる気がしないので、たぶん今夜で終わりだと思う、
もう書く力もない、げんかいです、ありがとうございました、
とても幸せな日々でした」命がけで震える手での筆談、発病か
ら1ヵ月のことだった、あたりまえのような「ありがとうの感
謝」が二人にあった日々、亡き夫からの「ありがとう」に妻か
らありがとうの感謝の言葉はきっと天国の夫に届くことだろう。