教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

寝首を掻かれた安倍寵臣 – 大規模で組織的な黒川失脚の諜報工作と成功 : 世に倦む日日

2020年05月28日 06時06分59秒 | デジタル・インターネット
2 日前 · あらためて、今回の週刊文春のスクープ弾の意味の大きさを考えさせられる。大きな政治事件だ。黒川弘務が刺客に討ち取られた。今、北村滋と配下は必死になって事件の...
 
 
世に倦む日日
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寝首を掻かれた安倍寵臣 – 大規模で組織的な黒川失脚の諜報工作と成功
あらためて、今回の週刊文春のスクープ弾の意味の大きさを考えさせられる。大きな政治事件だ。黒川弘務が刺客に討ち取られた。今、北村滋と配下は必死になって事件の犯人を捜しているだろう。わずか10日前まで、黒川弘務は次期検事総長の殿上人であり、四選する安倍晋三に寵愛され、改正検察庁法の下で重ねて内閣から任命を受け、68歳になる5年後まで検事総長を続ける身だった。検察庁の河野克俊になって長く君臨するはずだった。黒川弘務は忍び寄る討手の気配を全く感じず、罠を警戒することなく、栄耀栄華の夢に酔って放縦生活を続けていた。今、北村滋は安倍晋三に厳しく叱責されているはずである。黒川弘務の身辺を護衛する立場(JCIA長官)であり、また、黒川弘務は共謀罪を一緒に仕上げた相棒だった。二人は刑事方面の安倍官僚の二枚看板だった。それなりに警護と防諜はしていたのだろうが、刺客団の諜報が一枚上で、JCIAの防御網を突破していたのだ。
 
 
 
週刊文春の刺客は集団である。単なるフリージャーナリストの仕事ではない。記事を読むほどに、権力組織の大がかりな謀略であることが窺い知れ、綿密かつ周到に計画された「暗殺作戦」だった背景が看取される。「事件」はかなり前から準備されている。密偵も何人もいて、何日も黒川弘務を自宅前で監視し、外出を尾行して執拗に盗撮している。相当なコストとマンパワーが投入されている。例えば5月1日夜のマージャンだが、取材(諜報)に携わった要員(工作員)は何人いるだろう。現場となった墨田川畔のマンション5階の部屋主である産経A記者を専ら見張っている者、そこへ来た産経B記者をずっと尾行している者、それぞれ密偵がいる。さらにマンション前で刻々の時間記録をして、写真撮影をしている現場主担がいる。また、どうやら目黒区の黒川弘務の私邸の前で見張りしている者もいて、この夜だけで総勢4人ほどが探偵活動を行っている。そうでなければ、この記事の内容は書けない。
 
 
もし、こうした大型の諜報団による謀略でなかったとすれば、唯一考えられるのは、卓を囲んだ産経記者たちの自作自演、つまり産経新聞の裏切り工作であり、産経記者たちの自己申告が記事のソースになっている場合である。そうした見方をする者も少なくなく、橋下轍などはこの陰謀論に接近した感想を述べている。が、そうした陰謀論に信憑性と説得力が出るほど、今回の週刊文春の諜報は鮮烈で破壊力が大きく、裏側の壮絶な権力闘争と権謀術数を思わされて息を呑む。安倍政権の側からすれば、まさに一瞬のテロリズムが炸裂して寵臣の黒川弘務が屠られた。犯人は誰なのか。私は、検察組織の叛逆だと思う。正攻法で考えれば、作戦主体はそれしかない。独裁政治から検察の独立を守ろうとする、稲田伸夫とOBたちの政権に対する反抗と闘争であり、一撃で黒川弘務を仕留めた図である。そう推理するのが合理的だ。つまり、反安倍の検察側と内通した者が産経新聞社内にいたことになる。右翼にとっては衝撃の事態だろう。
 
 
例の「ルイ14世」の意見書が松尾邦弘ら検察OBから提出されたのが、15日である。賭けマージャン現場が再度諜報され、証拠が固められた二日後だ。この意見書は檄文で、末尾には国民に対して安倍政権に抗議運動を起こしてくれと、国民に蜂起を呼びかける渾身の結語があった。同日、安倍政権は改正案採決を翌週に先送りする決定となったが、松尾邦弘らが文章を起草している時点では、その日に強行採決されて衆院通過の見込みだった。国家権力の一つである検察組織が、いわばクーデターで安倍政権を倒すべく国民に共闘と決起を求めている。容易ならざる檄文を見て、思ったのは、もし改正案がそのまま可決成立し、なお安倍政権が盤石だった場合、この檄文は国民の賛同と共感を得られず、検察の反抗は国民に支持されなかったという失敗に帰着してしまい、禍根を残すことになるではないかという危惧だった。それほど、この意見書は大きな博打に見えた。検察は組織として一体であり、現職を離れたOBでも組織の一部だからである。
 
 
逆から考えれば、余程の自信があったから、「ルイ14世」の比喩文言を入れ、独裁者と闘って倒すぞという宣言に出たのである。確たる自信があり、最終的に、自分たちは国民に支持されて権力闘争に勝ったのだという総括ができる想定で、この檄文の挙に出たということだ。その確信の根拠は何だろうと考えを巡らせていたら、すぐに文春砲が放たれて黒川弘務の首が落ちた。早業の政変劇だった。政治の想像を踏み込めば、おそらく、15日に「意見書」がローンチされる時点で、挙に出た検察OBたちは翌週の週刊文春の記事を知っていたのだろう。記事が出れば一瞬で黒川弘務が失脚し、検察庁法改正案(=政権による検察の私物化)が頓挫することを知っていて、だから公然と政権に宣戦布告する挙に出たのだ。勝算を持っていて、物質的担保(隠し球)を握っていたである。検察恐るべし。松尾邦弘も、清水勇男も、堀田力も、おくびにも出さないが、黒川弘務を狙撃する工作に関与していたと思われるし、黒川弘務の部署周辺に間諜がいたと思われる。
 
 
黒川弘務の行動は何もかも筒抜けだった。週刊文春の記事中にある、ハイヤー車内で黒川弘務が言ったという、『このあいだ韓国に行って女を買ったんだけどさ』の暴露は強烈だ。文春はこれを「元ハイヤー運転手」の証言と説明しているけれど、おそらく「元ハイヤー運転手」の証言というのは作り話で、産経記者か間諜の検察部下が黒川弘務から直接に猥談を聞いたのが本当だろう。「元ハイヤー運転手」の証言というのが架空でも、中身には根拠があるのであり、文春側は文責に自信があるのだ。そして、この買春の逸話をだめ押しで挿入したところに、検察組織側の黒川弘務に対する激怒と敵意が感じられる。絶対に仕留める、社会的制裁を与えるという執念が伝わってくる。検察の理念を崩し、検察を安倍晋三の番犬に変え、検察を壟断して貶めた黒川弘務に対する報復と処断の決意の強さを感じさせられる。殿上人だった黒川弘務は一瞬で地に墜ち、世間から石礫を投げられる罪人になった。果たして、文春記事の第2弾はあるのだろうか。関心の焦点はそこにある。
 
 
21日発売号を編集した時点では、改正案はまだ生きていて、自民党は今国会成立の強気の構えを貫き、国会でなお攻防が続くという見通しのままだった。したがって、検察組織・文春側は二の矢三の矢を準備していた(いる)可能性が高い。出版されるかどうか不明だが、そこには、もっと醜悪で猛毒な黒川弘務の正体が描写されていて、セクハラとかパワハラとか不倫とか虐待とかが飛び出して来そうな予感すら漂う。暴露記事が出るまで、黒川弘務は「真面目ないい人」で、「優秀な官僚」だった。今でも青木理などはそう言って黒川弘務を擁護し、人物像を持ち上げ、その罪過を稀釈する妄言をテレビで垂れている。まさか、検察最高幹部の者が賭博と収賄を常習にし、買春を自慢している外道だとは誰も思わず、単に安倍晋三に忠誠を誓って精勤し、論功で出世している官僚だと信じ込んでいた。安倍官僚(安倍寵臣)がどれほどグロテスクな異常人格揃いか、佐川宣寿や酒田元洋を観察していればよく理解できるはずだが、業界で商売している青木理などの言葉に大衆は騙されてしまう。
 
 
本日(25日)朝、共同通信からスクープが出て、黒川弘務を訓告にしたのは官邸の決定であり、法務省は国家公務員法に基づく懲戒処分が相当と判断していたという衝撃の事実が暴露された。検察庁・法務省の複数の関係者がリーク証言しており、つまり安倍政権に対して彼らが組織的に造反している。重大な事態であり、検察の組織を賭けた徹底抗戦の敢行となった。今回は、加計学園事件のときに文科省の抵抗を鎮圧し粛清したようにはいかないだろう。相手は公訴権を持った検察だ。私が特に注目するのが、産経新聞社内の動向で、産経の中に初めて反安倍派が出現した事実である。内部が親安倍と反安倍の二つに割れている、あるいはこれから割れて揉める可能性がある。櫻井よしこと日本会議は混乱しているに違いない。週刊文春が第2弾を出せば、その辺りの状況も見えてくると予想される。いずれにせよ、政権の猛攻から稲田伸夫を守り抜き、逆に黒川弘務の首を狩り獲った検察が、河井克行・案里の逮捕に一直線に突き進むことは確実な情勢だ。支持率を落とした安倍晋三が、それを阻止することは難しいだろう。
 
以上。あくまで仮説だが、私は事件は検察のミッションだと考える。
 
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