『 民主党の桜井充財務副大臣(参院宮城選挙区)が19日付の自身のメールマガジンで、菅直人首相について「交代させろという声が出てくるのは当然のこと」などと批判した。桜井氏は20日、記者団に「辞任を求めたわけではない」と釈明したが、与党内でくすぶる首相への不満が閣内にも飛び火した形だ。 桜井氏はメルマガで、18日の参院予算委員会の首相答弁について「何か言われると必ず自分の正当性を主張する。今日のような答弁では反発を招くだけだ」などと指摘。「今後も総理を続けていかれるのであれば、もう少し歩み寄る姿勢をみせていただきたい」と記した。 桜井氏は20日、記者団に「辞めろとは一言も言っていない。批判に謙虚に耳を傾けないと(野党と)折り合えない、ということだ」などと語った。 枝野幸男官房長官は同日の記者会見で「直接の上司である財務相が調査し、しかるべき対応をしていただけると思う」と述べた。』 2011年4月20日20時37分アサヒコム
「嫌菅」ムード、足元からも=財務副大臣が退陣容認論
東日本大震災に対処する菅直人首相の「資質」を問う声が、与野党に広がっている。20日には内閣の一員の桜井充財務副大臣が「『辞めろ』と言いたくなるのは当然だ」などと、野党の退陣要求を容認。与野党に共通するのは、初動の遅れを決して認めず、震災対応で野党が協力するのは当然と言わんばかりの首相の居丈高な姿勢への「嫌悪感」だ。 「人間としてどうなのか。ああいう対応では誰も納得しない」。桜井氏は20日、国会内で記者団の質問に答え、18日の参院予算委員会で野党に初動の遅れを追及されながら、非を認めずに反論に終始した首相への不信感をあらわにした。
また、権限や役割が不明確なまま、首相が復興構想会議(五百旗頭真議長)をスタートさせたことも「もともとあった組織に『こうやれ』と言えばスムーズだが、新しい組織をつくっても動くに動けない」と批判した。
民主党幹部は「桜井氏の性格の問題。(政府の)ポストに就けるべきではなかった」と不快感を示したが、菅政権の震災対応が後手に回っている面は否めない。被災地では仮設住宅建設やがれき撤去が進まず、自治体は政府への不満を募らせている。復興に取り組む政府の体制を定める復興基本法案の調整も滞っており、国会提出は5月の大型連休明け以降に先送りされた。
民主党のある部門会議座長は「桜井氏の言っていることは、政務三役の半分くらいの気持ちを代弁している」と理解を示し、参院幹部も「誰もが『会議が多すぎる』と思っている」と、段取りの悪さに苦言を呈する。
首相の資質を問題視する声は、野党では一段と強い。自民党の石原伸晃幹事長は17日のテレビ番組で、民主党の岡田克也幹事長が提案した民主、自民両党の党首会談を「首相には人間として問題がある」と一蹴した。具体例として、首相が自民党の谷垣禎一総裁に入閣を要請して拒否された3月の電話会談を挙げ、「首相は『責任を分かち合わないのか』と怒り出した」と指摘した。
もっとも、この局面で性急な「菅降ろし」に動けば世論の反発を浴びかねないとあって、与野党ともに現状では首相批判にとどまっている。民主党内で衆目の一致する「ポスト菅」候補が見当たらないことも、菅政権の「低位安定」を招いている一因と言えそうだ。(2011/04/20-20:31時事通信)
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