兵庫県の斎藤元彦知事が8月1日で就任3年を迎えるのに合わせ、神戸新聞社は県内41市町の首長にアンケートを行い、斎藤県政への評価を尋ねた。県政を「支持しない」とする首長が7人に上り、「支持する」と同数で並んだ。一方、半数近い18人が「分からない・答えない」と回答。元西播磨県民局長が斎藤知事らを告発した文書問題を巡って県政の混乱が続く中、これまで協調路線を取ってきた市町が、県と距離を取りつつある状況がうかがえる。

■18人「分からない・答えない」、神戸市長ら9人が評価避ける

 アンケートは7月5〜24日に原則対面で実施。県政への評価は「強く支持する」から「全く支持しない」までの4段階と「分からない・答えない」の択一式で尋ねた。

 その結果、県政を「強く支持する」とした首長はおらず、「どちらかといえば支持する」が7人だった。

 守本憲弘・南あわじ市長は「施策の方向性は納得できるものが多い」と評価。片山象三・西脇市長は、県内の出張先で知事が贈答品を催促したとされる事例について「地場産品のPRは知事の大切な仕事。『おねだり』と表現するのは違和感がある」と擁護した。

 一方、「全く支持しない」と答えたのは2人で、蓬萊務・小野市長は「ガバナンス(統治)が欠如している」と批判。越田謙治郎・川西市長は、元県民局長が亡くなったことを挙げて「告発した人は守られず、追い込まれてしまった。その状況をつくった知事の責任は重い」と語った。

 「どちらかといえば支持しない」は西村銀三・新温泉町長ら5人。蓬萊市長と西村町長はすでに、記者会見などで「知事は辞職すべき」との見解を明らかにしている。

 最も多かったのは「分からない・答えない」だった。そのうち複数人が「この状況ではノーコメント」「まだ真実が分からないので判断できない」などと言及し、文書問題が県政全般への評価をためらわせていることをうかがわせた。

 山崎晴恵・宝塚市長は「文書問題が県民に不安を与えている」と憂慮しつつ、県市協調で施策を進めてきた経緯から「一概には支持、不支持を決められない」と説明した。

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 アンケートでは、神戸市の久元喜造市長が「支持、不支持の対象ではない」とするなど、9人が評価を避けた。これらは「分からない・答えない」の18人には含まれていない。

(まとめ・山岸洋介)