昨日、日韓で合意された慰安婦問題については、両国国民の間でも概ね好意的に捉えられている。竹島問題や歴史遺産問題など日韓に横たわる懸案はこれからも手を打つことは難しい難問だが、一応、日韓合同で開催したサッカーWカップや韓流ブームなどの友好時代に再び向かっていく形はできたと言える。
日本政府から韓国政府に拠出する10億円ほどの資金については、以前の日本の民間団体が設けたアジア女性基金のフォローアップに向けるのではなく、韓国政府を経て支援団体の手で元慰安婦の補償に当てられることになったのも、韓国側としては評価しているものと思う。
ただ、今回の合意については、韓国側でも強硬派や一部元慰安婦などが、日本が完全に責任を認めたわけではないと批判しているようだ。
また、日本側でも保守勢力の間に、日本大使館前の少女像の撤去が完全に約束されたものではないことや、不可逆的解決といっても果たして将来に亘り、確実に約束が守られるのかという点で不信感が残っているようだ。
少女像については民間団体が作った物であり、韓国政府としても日本大使館前から他の場所へ移設する方針のようだが、その点でも紛争の種は完全には消えない可能性もある。
しかし、安全保障や経済関係で、日韓がいつまでも角を突き合わせていることは、双方にとってマイナスであり、今回の合意を契機に徐々に信頼を回復して、正に日韓国交正常化50周年に相応しく、本質的な友好関係に戻ることが期待される。「関連:12月28日」