水産北海道ブログ

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6月13日、漁業経済学会が大会シンポ 「2018漁業センサス」沿岸漁業の実態に迫る

2021-06-05 21:34:17 | ニュース

 漁業経済学会(代表理事・佐野雅昭鹿児島大教授)は6月13日、Zoomを利用したオンラインで開催する。テーマは「2018年度漁業センサスから見る日本の沿岸漁業とセンサス統計の課題」をテーマに5つの報告を受ける。参加申込はfishecono◎gmail.comへ(◎は@に読み替える)。

 2018年度漁業センサスの結果分析を踏まえ、日本の沿岸漁業のマクロな実態をあぶり出す。加瀬和俊東京大学名誉教授、佐野鹿児島大教授をコーディネーターに、第1報告「漁業センサスの調査項目・集計項目の特徴と問題点」加瀬和俊、第2報告「沿岸漁船漁業の動向〜階層変化とその就業動向」三木奈都子(水産技術研究所)、第3報告「漁業センサスからみた外国人材の就業動向」佐々木貴文(北海道大学)、第4報告「我が国の漁村地域と漁業管理の現状」西村絵美(水産大学校)、第5報告「海面養殖業の現状と動向」佐野雅昭(鹿児島大学)の各氏が発表する。


道議会水産林務委員会で新型コロナの影響を議論 緊急事態宣言後、鮮魚や高級品の価格が下落傾向に

2021-06-05 21:25:32 | ニュース

 道議会水産林務委員会(三好雅委員長)が1日開かれ、紋別沖の漁船海難事故、稚内沖の漁船拿捕に関する報告、新型コロナウイルス感染症による水産業、林業・木材産業への影響について道から報告を受けた後、質疑を交わした。

 古村龍次水産局長によると、5月26日午前6時頃、紋別港から北東約23㎞付近で紋別漁協所属の毛ガニかご漁船漁船「第八北幸丸」(9.7㌧)が操業中にネベリスク船籍のカニ運搬船「アムール」(662㌧)が衝突し、船底が見える状態で転覆した。海中に投げ出された船員5名全員をアムールが救出したが、3名の意識がなく、紋別海上保安部所属巡視船「そらち」により負傷者2名、心肺停止状態の3名を紋別港に搬送したが、10時20分頃、3名の死亡が確認された。

 5月27日から紋別海上保安部による実況見分、アムールの調査、両船の船長から任意の事情聴取を開始し、28日から国交省・運輸安全委員会による調査が開始された。また、同27日道水産林務部長から各漁協、関係団体にライフジャケットの着用、航行中の安全確認の徹底、海難事故の未然防止に向けた文書を発出した。

 新型コロナの水産業への影響は、前年同期と比較して4月までは多くの魚種で価格の回復傾向にあったが、緊急事態宣言後、外食需要が落ち込み、価格が低下している地域、魚種が出ている。直近の聞き取りでは、市場関係者によると全体的に荷動きが悪く、特に外食産業で使われるウニ、カニなどの需要が落ち込み、価格が低下している。漁協によると、外食向け商材の流通停滞、消費地市場の需要低下により、ヒラメ、マツカワなどの鮮魚やカキ、ウニなどの高級品の価格が下落傾向にある。オホーツク海のホタテ本格操業は6月からだが、現時点では昨年と同程度から高い価格で推移している。また漁業関係者が感染し、操業に支障が生じた事例が発生している。古村水産局長は「定期的に調査を実施し、影響などの把握に努めるともに、価格や消費動向を見据え、当初予算で措置した道産水産物の消費喚起に向けた対応などを重点的に実施する」と説明した。

 報告を受け、佐々木大介道議(自民、石狩地域)が緊急事態宣言後の対応を質し、古村水産局長は「根室管内のウニや胆振管内のマツカワなどの価格が低下しているため、定期的な調査に加え状況の変化に応じた迅速な調査を行い、必要に応じて漁業経営を支援する実質的な無利子の運転資金の積極的な活用や巣ごもり需要に対応した道産水産物の一層の需要喚起に努める」と答えた。


稚内機船の沖合底引き網漁船がロシア警備艇に拿捕 乗組員、船体の早期解放を在札ロシア総領事に要請

2021-06-05 21:17:58 | ニュース
記者会見する工藤稚内市長(右)と古村道水産林務部水産局長
 
 5月28日、稚内機船漁協所属の第百七十二榮寶丸(泉漁業部、160㌧)がロシア連邦保安庁サハリン州国境警備局の警備艇に拿捕され、サハリン州コルサコフに連行された。31日午前、道と稚内市、稚内機船の代表が在札幌ロシア連邦総領事館にマーリン・セルゲイ総領事に人道的な見地から乗組員、船体の早期解放を要請した。
 要請したのは、工藤広稚内市長、風無成一稚内機船漁協代表理事組合長、古村龍次道水産林務部水産局長。鈴木直道道知事名でマーリン・セルゲイ総領事に手渡した要請書には「乗組員14名の食料品、飲料水の不足、日常的に服用する薬など健康状態の悪化が懸念されるので、人道的な観点からの支援、1日も早い解放」を求めている。また、稚内機船漁協と稚内市は「古くからの稚内市とサハリン州の地域交流、日ロ間の信頼関係に、今回の連行は重大な影響を及ぼす」「日本の排他的経済水域において正当に操業していた底引き網漁船の臨検、連行・抑留は極めて遺憾」としている。
 要請後、記者会見に応じた工藤市長は「漁船は稚内市を基地とし、乗組員は全員が稚内市民だ。当市とサハリンは長い友好関係を築いており、1日の早く帰ってくるよう要請した」と説明した。
 午後開かれた道議会水産林務委員会(三好雅委員長)では、古村水産局長が稚内沖での漁船の拿捕について報告した。それによると、5月28日午前9時40分、榮寶丸が宗谷岬東方沖合で操業中、ロシア警備艇から停船命令を受けた稚内海上保安部に報告、同10時、ロシア警備艇が信号弾を発射、船体に発砲された。同40分、ボートが榮寶丸に着いてロシア警備艇の乗員に乗り込まれ、同50分連行された。稚内機船漁協の情報では、5月31日現在、乗組員は船内に拘留されているが健康状態には問題なし、水や食料を搬入、乗組員の持病薬は外務省を通じて手配予定で、7月15日に裁判が行われる予定で、裁判まで乗組員が拘束されるかは不明という。稚内市は、副市長を本部長とする「第百七十二榮寶の早期解放に係る連絡本部」を立ち上げ、乗組員の安全確保と早期解放に向けて在札ロシア連邦総領事、国、道に要請した。道は水産庁に操業当時の状況を迅速に把握するよう求め、道サハリン事務所や関係団体と連携し情報収集に努める。
 道、稚内市、稚内機船漁協は外務省にも同様の要請を行った結果、国は日本EEZ内の操業と認め、ロシア側に抗議した。ロシア側は逃走を図ったため拿捕したとしている。

北海道クロマグロ訴訟 6月15日札幌高裁で第2審

2021-06-05 21:16:08 | ニュース

 北海道クロマグロ訴訟の第2審が6月15日札幌高裁で始まる。この訴訟は、クロマグロの大量漁獲のあおりで、割当を残しながら操業停止に追い込まれ、翌シーズン以降の当初割当で実質ゼロを言い渡された留萌管内の沿岸曳き縄漁業者らが国と道を相手に損害賠償を求めたもので、1審の札幌地裁では敗訴した。JCFU沿岸漁民連は、小規模零細の漁民、家族漁業を守る立場から原告の髙松幸彦氏に支援を呼びかけている。