水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

2016年2月号の表紙は「ヤナギダコ2年連続の豊漁に期待」(白糠漁港)です。写真と文:鈴木敦吉記者

2016-02-11 22:44:52 | 月刊水産北海道

 12月に解禁された白糠のヤナギダコ空吊り縄漁は、時化や低気圧に悩まされながらもここまで順調に進んでいる。資源管理型漁業を積極的に推し進める白糠漁協では、全船合計の漁獲量が1日8トン程度となるよう調整しながら操業し、貴重な資源を守っている。今期は3㎏前後の大型の個体が多く値段も上々で、2年続けての豊漁に向け漁業者の期待も大きい。白糠のヤナギダコ漁は5月まで続く。


月刊『水産北海道』2月号が出ました。

2016-02-11 22:42:36 | 月刊水産北海道

レイアウトソフトがInDesignに変わりました

判型もA4変形からA4フルサイズに拡大

 新年を迎えてあっという間に2月に入り、また1年が過ぎていくのかと焦ってもよいアイデアは浮かばず、どうしようかと。振り返って1月は中旬から研修会やセミナー、大会と全道的な顔合わせ、情報交換の場が集中し、行事に追われての編集となっていまいました。

 水産の話題で世の中に通じるものとしては、輸出の話題がけっこう大きかったように感じました。政府は「攻めの農林水産業」の柱に輸出振興を掲げ、2020年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円にする目標を立て支援しています。折しもTPP協定が締結され、「競争に打ち勝つためのTPP対策」が補正予算で組まれ、輸出促進につながる環境づくりや施設整備、海外でのPRイベントなどが活性化しています。

 2015年の農林水産物の輸出は7,452億円となり、3年連続で過去最高を記録し、中間目標の7,000億円を1年早く通過、この勢いで2020年の1兆円を前倒しで達成しようと盛り上がっているわけです。水産物はもともと貿易に乗りやすい性質もあって主力が国際商品化しており、ホタテをトップに2,757億円と前年比18%増でした。

 世界文化遺産に登録された「和食」が世界的にブームとなり、その食材として日本の農林水産物が受けている。ブランド化しやすい状況にあること、加えて円安による為替の追い風があったというのが定説です。水産物に関しては世界の需給構造が大きく変化し、より貿易量が増えていますが、原油価格と同様でいつ何時変化するかわからないというのが実態で、2016年もうまく行くとは限りません。そして、輸出が伸びる一方で国内市場には輸入品が溢れています。しかし、「輸入品か国産品かの判断は消費者が決めるもの。生産者は安全で安心な水産物を届け、食べてもらう努力を続ける」(川崎道漁連会長)ということでしょう。

 もう一つ、北海道の漁業生産が2015年、数量は100万トンと過去最低だったにもかかわらず、生産額は3,000億円台をキープし対前年比微増だったというニュースも結構話題になりました。昨年の減産は、低気圧や台風によるホタテの被害、サンマやイカなどの漁獲不振が響いたものだが、一時的な現象よりも傾向的な減産と見た方がいいだろう。「沖合の漁場を休ませてTACを守り、資源を保護する。そして人工種苗の放流から一歩進め、海で育てる漁業(養殖)をしっかりやる。たとえ漁獲量を昔に戻すのは無理でも沿岸を中心に漁業を発展させることは可能」(川崎道漁連会長)。このビジョンが実現するためには、北海道漁業の構造改革が必要であり、「100万トン(↓)、3000億円(↑)の衝撃」はそれなりにズシンと来るものだったような気がします。