降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★復刻活版新聞を讀んだのだ❸

2014年08月26日 | 新聞

【8月24日付の続きです】
整理部の大先輩には聞いていたが、初めて見た縦題字の讀賣新聞。
あくまで(真珠湾攻撃前夜という)記事内容・紙面構成には関係なく、
ただ
「鉛活字を使っていた活版組み版新聞」
として、見出し・組み方を中心に眺めた。

❶72年前の「讀賣新聞」その弐

昭和16年10月19日付七版、東京市京橋區銀座西三の一・讀賣新聞社發行。第二萬三千二百五十八號=写真
紙面の組み方は次のとおり。

1ページは全15段編成
フロント1面が記事13段で、広告が2段になっている。
同広告は製版凸版だが、出稿社によって
右→左読み(ーライボ巴)、
左→右読み(三菱モートル)
があった。
さらに、2段突き出し広告(成養員術技夜晝)もあった。

鉛活字1段15字組みだけど……
この文字サイズは「天地88✖️左右110ミルス」の現行偏平活字なのだろうか。
なんとなく正体(せいたい)に近いようだけど、どうなのかしらん。
すごいのは、下記のようにいたるところにルビを振っていること(僕も活版組み時代に、小組み工員が行間にルビを付けるのを見たが、ピンセット片手にかなり面倒そうだった)。
活版組み版技術&手拾い、恐るべし。

【ベルリン本社特電】(十八日發)ドイツ軍司(ぐんし)令部(ぶ)十八日發表(へう)=ドイツ潜(せん)水艦(かん)はこゝ數(すう)日間に大西洋(やう)において油(ゆ)槽船(せん)三隻(せき)を含む商船(しやうせん)十隻(せき)合計(けい)六萬トンおよび驅逐艦(くちくかん)二隻(せき)を擊沈(ちん)した。

うーむ。
ルビを振る基準がイマイチ分からないのだけど、
普通行間にはルビが入っているが、行間が狭いところには振っていない(というか、振れないのかも)。

…………「72年前の讀賣新聞」その3へ、長くなったので続く。