降版時間だ!原稿を早goo!

新聞編集者の、見た、行った、聞いた。
「降版時間」は新聞社整理部の一番イヤな言葉。

★復刻活版新聞を讀んだのだ❷

2014年08月24日 | 新聞

【きのう8月23日付の続きです。
重ねて書きますが、僕は戦後十数年経っての生まれで、またミリタリーおたくでも兵器おたくでもありません、笑】

特別コレクションとしての復刻新聞を目当てに買ってしまった
「激動の昭和史を読む/太平洋戦争の記憶」創刊号(特別価格 190円、アシェット・コレクションズ・ジャパン発行)。
どでかいバインダーと〝日本初の復刻新聞コレクション〟3紙が付いて、わずか190円(税込み=ちなみに、以降は690円)。
繰り返すけど、もはや目にすることができないであろう、鉛活字組み活版新聞が目当てですから!


「昔は読売も縦題字だったんだよ」
とは整理部先輩に聞いてはいたけど、
見たことなかった〝縦題字〟讀賣新聞、
手にしたこともなかった夕刊國民新聞、
真珠湾攻撃を高らかに報じていた朝日新聞、
3紙がビニールパックに入っていた。

たぶん、安倍首相、石破幹事長らも定期購読を申し込んだのではないかしらん、うん、きっとそうだ
………ということはさておき。
あくまで、記事内容には関係なく、ただ
「鉛活字を使っていた活版組み版新聞」
として、見出し・組み方を中心に復刻3紙を眺めた。

❶72年前の「讀賣新聞」その壱

昭和16年10月19日付、東京市京橋區銀座西三の一・讀賣新聞社發行=写真
時代が時代、真珠湾攻撃前夜とはいえ、見出しがあっぱれ。さすが瓦版主義。

4段見出し
「盟邦との交誼を厚く/鐡の意志・迅速實行」
「首相、全國民の協力を要請」
「東條内閣の施政方針聲明」
4段見出し
「抱負を語る新閣僚/生活切下に堪へよ」


「交誼を厚く」!
「鐡の意志」!
重ねて書くけど、時代とはいえ、熱血の鼓舞&ゲキ見出し。
(でも、上の見出し「東條」を〝安倍〟にして使えそーな気がしてならない……)

「鐡の意志」!
以前、ある政党紙のレイアウトを副業でやっていた(→もう時効ですから)ときも、同じような熱血ゲキ見出しが同紙1面で躍っていた。

「………こんな見出し、僕には恥ずかしくてつけられない。
いったい、どういう人(整理)がつけているんだろう。やっぱりズブズブの党広報なのだろうか」
と、そのあっぱれ1面面担(=整理グループ・デスク)を見たら、
僕の社を退職された元整理デスクだった。
…………ところ変われば、見出しの流儀も変わる。


72年前の讀賣新聞その弍…………長くなったので、続く。