Straight Travel

日々読む本についての感想です。
特に好きな村上春樹さん、柴田元幸さんの著書についてなど。

「妖女サイベルの呼び声」パトリシア・A/マキリップ著(佐藤高子訳)早川書房

2007-05-18 | 外国の作家
「妖女サイベルの呼び声」パトリシア・A/マキリップ著(佐藤高子訳)早川書房を読みました。
サイベルはエルド山の奥深く住む魔術師。彼女は幻獣のみを友として暮らしていました。そんなある日サイベルのもとに赤子をつれた騎士がやってきます。その赤子こそサイベルの甥であり、エルドウォルド国の王子でした。
やがてサイベルはいやおうなく王位継承争いに巻き込まれ、人の世の愛と憎しみを知り始めます。本作は世界幻想文学の大賞を受賞しています。

幻獣がそれぞれに個性があって面白かったです。
金色の目をもつ黒鳥、宝石を守る竜のギルド、美しいライオンのギュールス、魔力をもつ大猫のモライア、謎をかける猪のサイリン、7人の男を八つ裂きにした隼のター。
サイベルはさらに白鳥のライラレンをとらえるべく各地に呼び声を送ります。
この世界の魔術は名前を知ること、そしてその名を呼ぶこと。
サイベルが高名な魔術師にその名をしられたことからピンチに陥る場面も。
サイベルの甥タムの父、国王ドリード。
ドリードと敵対するサール国。
王位は誰の手にもたらされるのか?ライラレンは手にはいるのか?
美しいサイベル、愛情豊かなコーレンとの人間関係も絡めてファンタジーの世界にたっぷりとひたれる作品です。