プーチンが北方領土問題を「引き分け」で解決したいと述べたが、日本も応じるべきだ。それでは、引き分けとはどのような状態なのだろうか。
ロシアから見れば、四島返還はオホーツク海の戦略的価値を損ねるものであり、絶対に応じられないだろう。
日本から見て、二島返還だけでは世論が許さず、絶対に応じられない。
したがって、妥協点は「二島返還 プラス 残り二島の日本帰属を認める」ことだ。
国後、択捉の二島の主権は日本にあるが、実際の返還は50年後あるいは100年後でもよい、とする二段階論である。「引き分け」はここにしか存在しない。
ロシアとの懸案解決は中国の脅威に対抗するうえでの戦略的価値があることを認識すべきだ。
以下はおよそ5年前の拙ブログからの引用です。現時点では、国後、択捉の二島の主権を認めさせるという条件を追加しなければならないと考えています。
http://blog.goo.ne.jp/stopchina/m/200709
ロシアのプーチン大統領は14日、南部の保養地ソチで、毎年恒例の外国のロシア専門家を招いた懇談会に出席し、北方領土問題について、平和条約締結後に歯舞、色丹2島の引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言を基本に解決したい意向を改めて示した。(後略)
ソ連時代、オホーツク海は原潜の聖域だった。原潜はMAD(相互確証破壊)の重要な一要素であり、核戦争を防ぐ上で死活的に重要な存在だった。ソ連にとって、4島返還は聖域を守る千島列島という城壁に巨大な穴を開けることを意味した。だから返還はあり得なかった。
今、プーチン政権は米国への対抗意識をむき出しにしているから、オホーツク海の重要性はソ連時代と変わっていないと見るべきだろう。したがって、見通せる限りの近未来において、4島返還実現の可能性はゼロである。だが、歯舞、色丹2島は城壁の外側に位置するから、返還しても城壁に穴が開くことはない。
可能性ゼロを承知の上であくまで4島返還を求めるのか、2島返還という現実的な妥協をするのか。日本の国益にとって、死活的に重要な選択である。
なぜ死活的に重要かというと、中国との関係があるからだ。
中国は国内に不治のの病ともいえる腐敗、貧富の格差、環境破壊、水不足などの諸問題を抱えている。いずれ国内の重圧をかわして共産党独裁体制を維持するために国外への膨張を選択することになるだろう。それは歴史の必然的な流れであり、そのための軍事力大増強なのだ。究極の目標は世界制覇と見られる。
最初の生け贄は、いうまでもなく台湾であり、その次は日本だろう。
中国人民解放軍国防大学防務学院院長・朱成虎少将は、米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、先制核攻撃も辞さないと公言した。これは中国の本音と見るべきだろう。本土が核攻撃の脅威に直面してまで米国が台湾や日本を守ることはあり得ない。
米国から見捨てられた日本は、現状のままでは、なすすべがない。降伏以外の選択肢は存在しないのだ。
このような悲惨な未来を回避する方策が一つだけ存在するのではないかと思う。2島返還を受けいれ、ロシアとの関係を改善すること。これである。
日米関係は今後もその重要性に変化があるわけではないが、同時に、ロシアというもう一枚の外交カードを手に入れるということだ。
ロシアにとっても中国は警戒すべき隣国であり、日本との友好関係強化は経済だけでなく政治的にもメリットが大きいはずだ。プーチン政権の基盤は強力であり、2島返還についてロシア側の障害は少ない。
日本側はどうか。
某巨大掲示板の書き込みを見ると「2島返還でもいいじゃないか」という意見が半数近くを占め、日本人の意識が1年前と劇的に変化していることがうかがえる。
近く誕生するであろう福田政権は妥協に対する批判に耐えられるだろうか。日本の命運がかかっている。
ロシアから見れば、四島返還はオホーツク海の戦略的価値を損ねるものであり、絶対に応じられないだろう。
日本から見て、二島返還だけでは世論が許さず、絶対に応じられない。
したがって、妥協点は「二島返還 プラス 残り二島の日本帰属を認める」ことだ。
国後、択捉の二島の主権は日本にあるが、実際の返還は50年後あるいは100年後でもよい、とする二段階論である。「引き分け」はここにしか存在しない。
ロシアとの懸案解決は中国の脅威に対抗するうえでの戦略的価値があることを認識すべきだ。
以下はおよそ5年前の拙ブログからの引用です。現時点では、国後、択捉の二島の主権を認めさせるという条件を追加しなければならないと考えています。
http://blog.goo.ne.jp/stopchina/m/200709
ロシアのプーチン大統領は14日、南部の保養地ソチで、毎年恒例の外国のロシア専門家を招いた懇談会に出席し、北方領土問題について、平和条約締結後に歯舞、色丹2島の引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言を基本に解決したい意向を改めて示した。(後略)
ソ連時代、オホーツク海は原潜の聖域だった。原潜はMAD(相互確証破壊)の重要な一要素であり、核戦争を防ぐ上で死活的に重要な存在だった。ソ連にとって、4島返還は聖域を守る千島列島という城壁に巨大な穴を開けることを意味した。だから返還はあり得なかった。
今、プーチン政権は米国への対抗意識をむき出しにしているから、オホーツク海の重要性はソ連時代と変わっていないと見るべきだろう。したがって、見通せる限りの近未来において、4島返還実現の可能性はゼロである。だが、歯舞、色丹2島は城壁の外側に位置するから、返還しても城壁に穴が開くことはない。
可能性ゼロを承知の上であくまで4島返還を求めるのか、2島返還という現実的な妥協をするのか。日本の国益にとって、死活的に重要な選択である。
なぜ死活的に重要かというと、中国との関係があるからだ。
中国は国内に不治のの病ともいえる腐敗、貧富の格差、環境破壊、水不足などの諸問題を抱えている。いずれ国内の重圧をかわして共産党独裁体制を維持するために国外への膨張を選択することになるだろう。それは歴史の必然的な流れであり、そのための軍事力大増強なのだ。究極の目標は世界制覇と見られる。
最初の生け贄は、いうまでもなく台湾であり、その次は日本だろう。
中国人民解放軍国防大学防務学院院長・朱成虎少将は、米国が台湾海峡での武力紛争に介入した場合、先制核攻撃も辞さないと公言した。これは中国の本音と見るべきだろう。本土が核攻撃の脅威に直面してまで米国が台湾や日本を守ることはあり得ない。
米国から見捨てられた日本は、現状のままでは、なすすべがない。降伏以外の選択肢は存在しないのだ。
このような悲惨な未来を回避する方策が一つだけ存在するのではないかと思う。2島返還を受けいれ、ロシアとの関係を改善すること。これである。
日米関係は今後もその重要性に変化があるわけではないが、同時に、ロシアというもう一枚の外交カードを手に入れるということだ。
ロシアにとっても中国は警戒すべき隣国であり、日本との友好関係強化は経済だけでなく政治的にもメリットが大きいはずだ。プーチン政権の基盤は強力であり、2島返還についてロシア側の障害は少ない。
日本側はどうか。
某巨大掲示板の書き込みを見ると「2島返還でもいいじゃないか」という意見が半数近くを占め、日本人の意識が1年前と劇的に変化していることがうかがえる。
近く誕生するであろう福田政権は妥協に対する批判に耐えられるだろうか。日本の命運がかかっている。