雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

Contradictions

2008-11-16 22:29:16 | 歴史
宮崎あおい主演のNHK大河ドラマ『篤姫』をみた。

幕末の賑わいは、志士や幕府役人たちによってつくられるものだが、興味深いのは、維新がそうした活動をしていた階層自体を消滅させる革命だったこと。

その矛盾に気づいている志士は当時何人いたのだろう。。。

そしてそれは現在にもいえる。

今不要なのは、まさに改革をしている階層である。

無政府主義を主張したいわけではなく、今あるものとは違った組織が必要だといいたい。

江戸幕府では当時の国際的な状況を踏まえた金融問題を対処できなかったから維新が必要だったのと同様、高齢化、多様な価値観といった現代に合わせた組織である。

そうした認識から以下の記事にあるようなObamaの活動が生まれてきたのなら、Obamaに期待ができる。

「チームオバマ」がウェブサイト…政策PR、求人コーナーも(読売新聞) - goo ニュース

というのも、アメリカも同じように公務員が宙ぶらりんになっていた(Washingtonpost)。

今ある組織で違う仕事は難しいから、新たに組織体系をつくり、人材も育てた上で、既存の組織を解体する以外にないと思うから、まずリクルートは不可欠だろう(日本の民主党もあれだけ政権交代と役人非難を謳うのだから当然そうした準備は進んでいるだろう)。

いうまでもなく「組織 orgnaization」は有機体であることが望ましいから、有機体内のある部分が他の部分を搾取する形態であれば長続きはしない。いずれにせよ公務員は、国という組織の一部であることを忘れてはならないわけである。

だから以下のような記事を読んでいると悲しくなる。

団塊公務員の退職金は借金頼み 44道府県4200億円(朝日新聞) - goo ニュース

判断丸投げに反発=給付金の所得制限-市町村(時事通信) - goo ニュース

とにかく日本の問題はやはり、革命をもたらす芽がない、ということに尽きる。

つまり現状把握とそれに対する処方箋をみつけさらに実行に移すまでの process management が全く念頭にない。

結局あの戦争のときもこんな感じで進んだのだろうと思った。いきあたりばったりで本当に責任感のあるひとはいなかった。

あの戦争の反省は、アジア諸国への謝罪や武力行使の是非といった部分的なもので終わらせず、自分の選択した言動が一体どういう結果および波紋をもたらすか、を真剣に考えることだった、とは思わないのだろうか(「反省」の英語はreflectionで「熟考」の意)。

「丸投げ」とか「所得制限額がいくら?」という観点で今回の問題を論じるのであれば議論のための議論にしかならず現状は変わらない。とにかくコメントを見る限りでは、知事も全く真剣に受けとめていないみたいだし(実務上の問題しか考えてない)、総理大臣が漢字の読みを間違えたことをとやかくいうマスコミも同様に非難を楽しんでいるに過ぎない。

今一番の問題である政府と国民の貸借関係を是正する案を少しは考えて発表してほしい。

以前も教育基本法に関連して書いたが、国という単位は欠くべからざるものである。その国に属すがゆえに命まで投げ出すことになるやもしれぬ運命共同体の関係が国と国民の関係だと思う。

しかし運命共同体の義務をお互い踏み出そうとせず、中福祉中負担で落ち着こうというのが今の総理大臣の言だ。

これではどこぞの非正規雇用社員と同じである。国民が本当に期待したいことをやらないなら、国に属す意識も薄らぎ、国を愛すことなどありえないどころか、つきあいたくもない。

たとえ給付金が数万円あったとしても健康保険料が何十万とあるのではあまり意味があるようには思われない。しかもその何十万の金をこれから何年も徴収されるのである。

自分が勤める会社からインチキな商品をつかまされてるようなものだ。

しかも一般の経済活動でなら、そうした信頼のおけない会社の商品は買わないとかやめることができるのに、政府からは一方的に国民の義務という言葉で縛られるわけである。

もう時間がないので無理矢理締めくくりたいのだが、朝鮮の李朝時代を思い出した次第。