「Katrina被害対処の失敗は、Katrinaのような非常事態を対処するプロがいなかったから」、これまでのところの結論である。例えば現場のNew Orleansでは、Blanco知事が、待機しているバスではなく、ヘリコプターを使えと指示した。またつい数日前に明らかにされたところによると、政府の対応もちぐはぐ。Katrina上陸二日前にFEMAからKatrina被害をほぼ正確に描写したレポートがホワイトハウスに届けられたが、これも対処できなかった。
しかし人知などこの程度かもしれない。情報を現実に活かすことはとても難しい。と同時に、現在もアメリカは、リアルタイムで適切な処理をせまられている。KatrinaおよびNew Orleansは政争のネタにされてしまったが、被災地の復興は現実の問題であり、収支のバランスがとれなければなかなかすすめることはできない。
1月18日のNY Timesによると、New Orleans 再建のための取り壊し(demolition)が始まった。これはこれで朗報だが、悪い情報もある。22日のNY Timesによると、今年のハリケーンシーズン(6月)前にKatrinaクラスのハリケーンに対応できるレベルの防御施設を完成する見込みが現実的になくなったという。理由は、現在生活する人間より未来のNew Orleansを優先させる余裕がないということにつきる。
とすると以前にも触れたが、Katrina第一報を僕に伝えたフロリダ在住のアメリカ人が伝えた言葉「New Orleansはもう復活しないかも」はマトを得ていた。Nagin市長らがいかに運動して工事が着工されても、かつてのNew Orleans市民は帰ってこない。27日のNY Timesの、Study Says 80% of New Orleans Blacks May Not Returnとちょっと反政府よりの題がついた記事が、そうした元New Orleans市民の不安を数字で表している。
レポートしているのは、Brown Universityの調査グループ。彼らによると、Katrinaの被害が中強のレベルの地域は、もともとアフリカ系アメリカ人の占める割合が75パーセントで、貧困線を下回るのが29%、失業者が10%を超え、賃貸者が半分を超えている地域だったわけだが、アフリカ系アメリカ人は80%、白人は50%が戻らない可能性があるという。その理由にあげられているのは、元居住地が再建されないとか、彼らに再出発する費用がない、すでにほかの街に根をおろしつつある、だが、最大の理由は、このレポートの著者Dr. John R. Logan がいいあてていると思う。
Whose city will be rebuilt?"(誰の街が再建されるんだ?)
結局のところどこまで連邦政府が援助するのかわからない。BushにすればこれまでGulf Coast近隣に850億ドルを援助金として差し出し、更にルイジアナ州には62億ドルがこれから与えられる。しかし残念ながら住民にとっては十分とはいえない。最終的には更なる金額が必要になる。Bushは、ルイジアナにはちゃんとしたプランがない、と述べた。
対するBlancoは、共和党のルイジアナ州選出の下院議員Richard H. Bakerが提出した法案がちゃんとしたプランだといった。抵当を元手に、Katrinaで遺失した財産を復活させる会社を作るという案だが、当座の金がかかりすぎるという理由でBushは反対している。それに対しBlancoは、連邦政府は、ルイジアナ住民の悲しみがわかっていないという。
このまま援助が進展しないと、Dr. Loganの試算するところでは、New Orleansの人口は、Katrina前の48万4千から14万になり、以前は70%をアフリカ系アメリカ人が占めたが、大半が白人の街になるという。
追伸:音楽対決の結果速報
1) Bill Evansのソロ対決は、Solo Session Vol. 1.辛勝!Nardisが素晴らしい!
2) Brahms Symphony No. 1: ジュリーニ(ミュンヘン in 1979)!度迫力!
追伸2:次回の対決
モーツアルト:バイオリン協奏曲3番: グリューミオー vs ミュンヒンガー指揮シュットガルト室内管弦楽団
しかし人知などこの程度かもしれない。情報を現実に活かすことはとても難しい。と同時に、現在もアメリカは、リアルタイムで適切な処理をせまられている。KatrinaおよびNew Orleansは政争のネタにされてしまったが、被災地の復興は現実の問題であり、収支のバランスがとれなければなかなかすすめることはできない。
1月18日のNY Timesによると、New Orleans 再建のための取り壊し(demolition)が始まった。これはこれで朗報だが、悪い情報もある。22日のNY Timesによると、今年のハリケーンシーズン(6月)前にKatrinaクラスのハリケーンに対応できるレベルの防御施設を完成する見込みが現実的になくなったという。理由は、現在生活する人間より未来のNew Orleansを優先させる余裕がないということにつきる。
とすると以前にも触れたが、Katrina第一報を僕に伝えたフロリダ在住のアメリカ人が伝えた言葉「New Orleansはもう復活しないかも」はマトを得ていた。Nagin市長らがいかに運動して工事が着工されても、かつてのNew Orleans市民は帰ってこない。27日のNY Timesの、Study Says 80% of New Orleans Blacks May Not Returnとちょっと反政府よりの題がついた記事が、そうした元New Orleans市民の不安を数字で表している。
レポートしているのは、Brown Universityの調査グループ。彼らによると、Katrinaの被害が中強のレベルの地域は、もともとアフリカ系アメリカ人の占める割合が75パーセントで、貧困線を下回るのが29%、失業者が10%を超え、賃貸者が半分を超えている地域だったわけだが、アフリカ系アメリカ人は80%、白人は50%が戻らない可能性があるという。その理由にあげられているのは、元居住地が再建されないとか、彼らに再出発する費用がない、すでにほかの街に根をおろしつつある、だが、最大の理由は、このレポートの著者Dr. John R. Logan がいいあてていると思う。
Whose city will be rebuilt?"(誰の街が再建されるんだ?)
結局のところどこまで連邦政府が援助するのかわからない。BushにすればこれまでGulf Coast近隣に850億ドルを援助金として差し出し、更にルイジアナ州には62億ドルがこれから与えられる。しかし残念ながら住民にとっては十分とはいえない。最終的には更なる金額が必要になる。Bushは、ルイジアナにはちゃんとしたプランがない、と述べた。
対するBlancoは、共和党のルイジアナ州選出の下院議員Richard H. Bakerが提出した法案がちゃんとしたプランだといった。抵当を元手に、Katrinaで遺失した財産を復活させる会社を作るという案だが、当座の金がかかりすぎるという理由でBushは反対している。それに対しBlancoは、連邦政府は、ルイジアナ住民の悲しみがわかっていないという。
このまま援助が進展しないと、Dr. Loganの試算するところでは、New Orleansの人口は、Katrina前の48万4千から14万になり、以前は70%をアフリカ系アメリカ人が占めたが、大半が白人の街になるという。
追伸:音楽対決の結果速報
1) Bill Evansのソロ対決は、Solo Session Vol. 1.辛勝!Nardisが素晴らしい!
2) Brahms Symphony No. 1: ジュリーニ(ミュンヘン in 1979)!度迫力!
追伸2:次回の対決
モーツアルト:バイオリン協奏曲3番: グリューミオー vs ミュンヒンガー指揮シュットガルト室内管弦楽団