昨日(土曜日)は雨でした。
晴天続きの最後の日、一昨日(金曜日)ちょっと遠くまで散歩に行きました。
予定外!まったく予期していなかったこの世の極楽、今日、明日死んでも悔いが残らないほど素晴らしい眺めを堪能しました。
眼前に広がる広大な牧草地いっぱいに放牧された200頭ほどのウシの群れ!!
歩いていくのがちょっと無理な場所に車で行って散策するのはもしかしたらギリギリ「禁止事項」に足を踏み入れているかもしれません。
新型コロナウィルスの感染拡大を阻止するために国を挙げて取り組んでいるロックダウン下でも許されている「散歩/運動」のための外出は「自宅付近を30分以内に限定」なのですから。
時々ヒツジの群れが放牧されている住宅街の中の、道路沿いの牧草地に車をとめました。
家から10分ほどドライブした場所です。ストックポート日報でも何回かこの場所を取り上げています。
↓↓
渓谷の遊歩道を通ってたどり着いた住宅街の中の放牧場、ウシを眺めて癒される。
実はこの場所に生まれたばかりのコヒツジがいるのではないかと期待して行ったのですが、残念、この日は動物は全くいませんでした。
せっかく来たのですから、車を道路わきにとめて、牧草地のわきにある小道を降りて渓谷の散歩道まで足を延ばしてみることにしたわけです。
小川沿いの散歩道に降りる一本道を歩いていて私よりずっと背が高い夫が灌木の向こうに広がる牧草地にたくさんのウシがいることを発見!
方向をかえてウシ見物をすることにしたのです。
もちろん近所に住んでいる人たちばかりでしょう、散策する人がけっこういました。
上の写真には牧草地内をこちらに向かって歩いてくる2人連れが写っていますね。
この人たちは左端の踏み固められた道を歩く私たちに道を譲ってくれたのです。
たまに家の外に出ると多くの人が「一緒に住んでいる人以外とは2mの距離をとる、向き合わない」というソーシャルディスタンシングを徹底して実行しているのがわかります。
イギリスには車が通行できない歩行者だけに開放されている遊歩道 public footpath がとてもたくさんあります。
農地を横切る場合は、写真に写っているような大勢の人が通ったためにひとりでにできた道が多いのですが、決められた道から出てはいけない、という不文律があるのです。
それでもコロナ騒動の緊張感から人との間隔をとる習慣を自然に身に着けつつあるロックダウン下のイギリス人です。
道をあけてくれた人には必ず「ありがとう」を言います。
言われた人は手短に「OK」とか軽く手を挙げて合図するとか、そうできるだけ口をきかないようにしているのですが、お互い感じよく礼儀正しいやり取りがあります。
けっきょく、トラクターが出入りする大きな鉄の門扉のある農地の終わりまで一本道を10分ほど歩き、また引き返しました。
(帰り道です)
向こうからけっこうたくさん人が歩いてくるのが小さく写っているでしょう?
私たちも草地に出て道を譲りました。
通り道をウシたちにふさがれて.....
私たちの後ろに間隔をあけた散策者たちの行列が一瞬できちゃったりもしました。
後ろのグループははウシに道を譲って草地を通っていました。
いろいろな種類のウシがいました。
私が大好きな、つぶらな瞳の大きなウルウルした目と濃いまつげが特徴のジャージー種もとてもたくさんいました。
黒白の鮮やかな柄が美しいフリージアン種。
日本で「乳牛」といえば、この種類をさすのではないでしょうか。
どのウシもお乳がとても重そうでした。
お乳の小さなティーンエイジャーの少女といった若いウシもちらほら見かけました。
若いウシはたいてい、お姉さんウシかお母さんウシか貫禄のある大きいウシの後をついて回っていることが多いみたいでした。
牡ウシはいっしょの場所にいるとケンカを始めるそうですが同じ群れの牝ウシ同士はとてもなかよしです。
姉妹や親友どうしがお互いを認識しあっていつも一緒に行動することも多いそうなのです。
スマートフォンで写真を撮ると、距離感がよくわかりませんね。
バラバラと散らばるウシたちは実際にはもっと近くに感じられたのですが、写真にはかなり遠く写ってしまいます。
ところで、この広々とした牧草地に出るまでの、上の道路から下りてくるなだらかな崖みちの途中で嫌な思いをしました。
林道に入る分岐点のところで立ち止まっていると、坂の下からチワワを連れて上がってくる中年の女性に「そこにいて!」と鋭い口調の命令形で声をかけられました。
崖路の真ん中を通る踏み固められてついた一本道ではみんなソーシャルディスタンシングを意識して、向こうから人が来ると草の生えている崖によってできるだけ間をあけて行きすぎるようにしていました。
2mの間隔をとれない特に狭い場所もありましたが、ほんの一瞬すれ違うだけのあいだですから何も危険はないはずです。
自分が歩きやすい一本道の真ん中を歩き続けられるように命令形で言いつけるのはマナーとしてどうなんだ?と思ったのですがまあ、わき道にすでに出ていた私たちが、その人が通り過ぎるのを数秒待ってあげるぐらい何でもないので黙っていました。
私たちはその人が通り過ぎたあとすぐ一本道に戻ろうとしたら、いきなり振り向いたその人に「私が2m 離れるまでそこにいなさいっ!あなたたちの常識はどこへ行ったの?ソーシャルディスタンシングという言葉を知らないの!?」と歯を食いしばってドスの効いた声でしかりつけられました。
テレビで社会心理学者が言っていた「恐怖に突き動かされた言動」とかいうのはこれだな、と初めて理解しました。
ロックダウン下の決まりを守らない隣人を些細なことで警察にくりかえし通報する人、というのはこういう人なんじゃないかと思います。
決まりを守らない人の行動を正してやりたい正義感やズルして楽しんでいる人への妬み....なんかじゃなく、本当にこの状況に恐怖している人を初めて見たような気がしたのです。
夫は「頭おかしい」といいました。
その女性に聞こえたはずです。
でも戻って来て向き合って言い争いをする勇気はなかったようです。私たちにもっと何か言われて飛んできた飛沫を浴びる可能性はたまらなく恐怖でしょうから。
こういう人たちは、緊迫したロックダウン状況でいろんな人とトラブルを起こしてつまらない思いをしていることでしょう。
おそらくそのあと崖道を上がって上の道路に出るまでに何人かの降りてくる人達と行きあったことと思われます。
恐怖にかられた暴言を吐いていないか気になります。
次回この牧場に戻ってもこのウシたちがいる可能性は低いでしょう。
この牧場の長くつややかにのびた緑の草を食べきってしまえばウシたちは別の放牧場に連れていかれてまたその場所の草が食べつくされるまでそこにいるはずです。
そのころにはこの場所の牧草がまた長く伸び戻っているでしょう。
牧場ローテーションは夏中続きす。
ドレッシングをかけて食べてみたいような青々と緊密に茂った美しい草地でした。
草の先端が陽の光を受けてキラキラ輝いていました。
道路沿いの上の牧草との境のバード・ワイヤー(鉄条網)にはヒツジのフリース(綿毛)がくっついてフワフワ風にそよいでいました
ヒツジがこの下をくぐろうとして、ひっかかったのか!?
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日本にいながら散歩の途中の外国人との交流、うらやましいです。私が日本に住んでいた頃憧れていたことですが当時の私には語学力も知らない人と散歩の途中で打ち解ける社交性もなかった.....です。
イヌがいるといいですね。
私も今では気に入ったイヌをなでさせてもらうために声をかけています。
恐怖に駆られて 他人に暴言を
気持ちは 分かりますが
自分だけを守っている気がしますね
今 広島の公園は 人もまばらと 言うよりは
僕と犬だけの 寂し散歩でした
暴言を はく程 人も歩いてません